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おまけ 13にしおりをはさみました!
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おまけ 13
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深夜3時を回った所で漸く決算書類の目処が立ち、ファイリングのみとなった所で凪はデスクにぐったりと突っ伏した。
「......もうすぐ終わりだ、死ぬかと思った...」
もうくったくただ。チラッと時計を見て考える。
...始発まっても大差ないかなぁ。
もうじき始発が出る。タクシーを呼ぶか始発を待つか考えているとノックの音が響き、時間が時間なだけに物凄くビクッとなり、恐る恐る返事をした。
「お疲れ様。どうかな、まだまだ掛かりそうかい?」
「恭司さん!? なんで!?」
私服に着替えた恭司を見て凪は目を丸くした。
「私の天使と連絡が取れなくってね。家でやきもきしているより、見に行った方が早いと思ったんだ」
ダッハァ!!奮死して、あなたの天使は天に召されてしまいまする!!くぅーっ!!俺の王子さま~。
貴公子宛らの恭司に、完全に乙女思考に陥る。
赤い顔で悶える凪の頬に手を添えた恭司がふっと微笑んだ。
「メールに気がつかない程集中していたのかな?このままここで待っていても平気かい?」
問われて、...ダメです。心の臓が持ちません。と内心思うも、そこはやはり嬉しさの方が勝る。
「はい、すぐに終わらせます!」
先程までの疲労感は何処へいったのやら、怒涛の勢いで残りの仕事を片付けた。
「終わったー!!あー、もうダメだ、くたびれたー!!あっ!?」
恭司が居ることを失念して盛大に伸びをしてからだらける。クスクスと笑い声が聞こえ、しまったと思ったが、家でも良く有る事だと凪も笑った。
「では帰ろうか。お手をどうぞ」
読んでいた経済紙を仕舞った恭司が凪の元へ来て手を差し伸べる。
王子さまやんけー。シャルウィーダンスってか?あたしゃ踊れないよ!
余りに様になっているその姿に軽くトリップする。おどけてみたものの、心臓がドクドクと脈打ち顔が熱い。そっと手を重ねると、にっこり微笑まれた。
俺の王子さまは白馬ではなく、白の高級車に乗っている。
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