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拒絶にしおりをはさみました!
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拒絶
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「……汐音は?」
放課後になって汐音を迎えに行くと、いつも気だるそうに待っているあいつの姿はなかった。
「あー…汐音ね、帰っちゃったみたいよ」
「………なんでまた」
本当に自由気ままだな…
今に始まったことじゃないからもう驚きはしないけど。呆れるくらいのもんだ。
「…もう驚かないんだ」
「あいつの行動にいちいち驚いてたらキリがねーよ」
「ふーん…じゃあ、後はもう一人寂しく帰るだけでしょ? せっかくだから早速勉強教えてよ」
「おま…昼の時と比べたらなんか機嫌悪くないか? そんなに刺々しい物言いだったっけ」
「……別に、菅野クンの思い過ごしじゃない?
もしかしたらまた、何か企んでんのかもしれないよ〜?」
「それだけはマジでやめてくれよ…」
若干瀬良の態度に違和感が残るものの、またいつもの調子に戻った姿に瀬良の言う通り、思い過ごしだったのかもしれない。
神経質になってんのかな俺。
「まぁいいや。どうせ、帰るだけだしな。
で、俺はどの教科教えればいいの?」
「全部」
「は?」
「だから、全教科」
「…瀬良。前回のテスト結果見せろ」
「えー見るの?」
「いいから見せろ」
半ば強引に渋る瀬良から返却された解答用紙をひったくった。
「……………」
結果はまあ酷かった。
平均点はざっと20点前半ってところか。学校のテストで一桁取る奴なんて初めて見た…。
「いやぁ、散々でしょ」
「どれだけサボればこんなことになるんだ。そっちの方が不思議だよ」
「んん〜最近授業出てなかったからねぇ。ははっ」
「笑いごとじゃねぇだろ…」
つられて苦笑いしちまっただろーが
どうすっかなこれ 次は期末だろ、それまであんま時間ないんだけど
……とりあえず、一週間はみっちり叩き込まないと駄目だろうな
「…お前、一週間補習確定な」
「つらっ!!」
「文句言うな」
この後、諏訪とかいう委員長に教室から閉め出されるまでテスト直しからさせてやった。
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