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過剰反応にしおりをはさみました!
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過剰反応
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本当、休むために保健室へ行ったというのになんで俺がシーツを手洗いしてこっそり干すハメになるというのか。
もうそろそろ授業が始まるため、当の蓮斗は既に教室に戻っている。
自業自得ながらも体調悪化した俺は次の授業も休むつもりだったが、あんなに騒いだここで心休めるはずがない。
こっそり保健室を後にした俺は、外の空気を吸うために中庭へ移動する。
「はぁ……」
ケツが痛い。腰が。
それでも、まだ大分マシな方だろう。
一番恐ろしいのは、家に帰った後だ。時間もたっぷりあり、邪魔する人間もいない完璧な密室。それが、俺達の部屋だ。
帰りたくない。
そう思ってしまうことは任務放棄になってしまうのだろうか。
でも、俺が折れたら蓮斗はまた夜遊びをするだろう。
どうしたらいいんだ。
誰かに相談…といっても、こんな相談出来るはずもない。
誰かに蓮斗の性欲処理を任せるなんて、以ての外だ。
「……き……」
やっぱり、俺が体力を作るべきなのか。
筋トレ…うーん、そうだなぁ。
「兄ちゃん!」
「っえ!?うわっ!」
いきなり、すぐ耳元で呼ばれ振り返れば、そこには驚いたような顔をした心が立っていた。
驚いたのは俺の方だというのに。
「び、びっくりするだろ…」
「何回も呼んだのに気づかなかったのはそっちだろ。どうしたんだ、こんなとこで。保健室じゃなかったのか?」
「え…まあ…外の空気でも吸ってちょっと気分転換しようかと…」
「ふーん?」
それにしても、予想外だ。
まさかこんなところで心と遇うなんて。
誰も来ないだろうと油断していただけに心臓がバクバクと鳴りっぱなしだ。
「それより、お前こそこんなところで何してんだよ。授業は…」
「移動教室。これから行くところ」
そう言って、渡り廊下を指差す心。
確かに、そこには数人の一年がまばらに歩いている姿があって。
「なら、お前も早く行けよ。遅れたらどうすんだよ」
「わかったわかった。たまたま兄貴の姿見えたから気になっただけだって。すぐ戻るよ」
つい、追い払うような口調になってしまうのは先程まで蓮斗と一緒にいた後ろめたさのせいだろう。
心が傍にいるというだけで酷く落ち着かなくて。
何も言わず、心に背中を向けた時。
「あれ、そこどうしたの?」
そんな風に尋ねられ、「え?」と振り返った時。
伸びてきた心の手が項に触れる。
「ここ、赤くなって……」
ふいに首筋に息が吹き掛かり、先程の蓮斗との行為が脳裏を過る。
瞬間、全身の血液がカッと熱くなり、つい、脊髄反射で体が反応してしまう。
「…っ、触るなッ!」
自分でも、驚いた。
気付いた時には俺は心の手を叩き落としていて。
唖然とした心と目があった瞬間、自分の過剰反応に血の気が引いた。
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