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僕らの体育祭。③にしおりをはさみました!
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僕らの体育祭。③
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体育祭本番の日。
皆がわくわくしているのが伝わってくる。
大輝くんも放課後練習を頑張ったらしく、すごく張り切っているみたい。
「俺昨日全然眠れなかった!」
「そうなんだ…」
眠れなかったわりには元気だと思うけどなあ…
「楽しみでさー!」
「僕はそんなに…運動苦手だし。」
「そんなこと言わないで楽しもうぜ!体育祭とかって自分が出なくても人の見てるだけで面白いからさ!」
「う、うん。」
「あっ、それに藤原せんせーも出るってよ?」
「え!?そうなの!?」
「俺の時とはえらい反応の違いだな…」
「あ、ごめん…」
「いや冗談だよ!…と、まあその話は置いといて、先生が出るのはリレーだったかな。なんか、リレーは先生チームってのがあるらしいぞ。」
「そうなんだ…」
「聞いてなかったのか?」
「うん…なんか体育祭の準備とかで先生達忙しいらしくて。2週間くらいまともに話せてないんだ…」
付き合ってからこんなことなかったから、ちょっと寂しいな…碧さんと話したい…
「ふーん…まあ、応援してやれよ、な?」
「うんっ、そうする。」
「よしよし…」
「あ!リレーはどのくらいに始まるの?」
「えーっと確か…1番最後だったかな!」
「そっか、ありがとう教えてくれて。」
「なんか他に聞きたいことあったら言えよ!じゃあ俺もう準備だから。」
「うん、また後でねっ、頑張って!応援してる!」
「おうっ!」
大輝くんはニカッと笑って行ってしまった。
うーん、大輝くんが居なかったら僕は1人だし…どうしようかな。
「おひとり?」
「あ…吉川先生…」
「こんにちはっ」
「こんにちは…」
「そんなあからさまに困った顔しないでよー」
相変わらずにこやかに話しかけてくる。
「いえ、困ってはないです…」
「ふふっ、聞いた?碧がリレー出るって。」
「まあ…」
「びっくりよねー、そんなキャラじゃないのに…貴方と付き合って、碧の中で何か変わったのかしらね?」
「ぼ、僕ですか…?」
「そりゃそうよ、貴方以外に居ないじゃないっ」
「そうですかね…碧さんは最初からあんな感じだったと思いますけど…」
吉川先生は一瞬驚いた顔をしたけど、また元の笑顔に戻った。
「そう…貴方には最初から本当の自分を見せてたのね…」
「え…?」
「碧は大学の頃、もーっと無愛想でもっと喋らなかったわ。喋っても単語しか言わなかったし。」
ああ…あのメールみたいな…
「まあ、私から見たらあの人は変わったのよ、もちろん良い方にねっ」
「はあ、そうですか…」
「貴方も、もっと甘えても良いのよ?女は甘えてなんぼ。」
「僕は女性じゃないですけど…」
「立場的には女でしょ?」
「ううーん…まあ…そうなるんですかね?」
「似たようなものよ、今の碧は清水くん不足でイライラしてるし」
「ふふっ、碧さんが?」
僕不足でイライラするなんて…見てみたいな…
「あ、でも今甘えたら腹ペコの狼に餌を見せつけるみたいなものねっ」
「狼ですか。」
「そうよ、まあ、ほどほどにねっ」
「はい…」
「じゃあ私も仕事に戻るわ、お話付き合ってくれてありがとうね!ばいばーいっ」
「あっ…さよなら…」
嵐のような人だな…
良い人なんだか悪い人なんだか…
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