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僕らの体育祭。④にしおりをはさみました!
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僕らの体育祭。④
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大輝くんもいないし、吉川先生も行ってしまったので、1人日陰でのんびり、皆の頑張りを見守ることにした。
しかしそれはあまり叶わない、体育祭は案外忙しいからだ。
あ、大輝くんの番。
「位置についてっ よーい」パァン!
うわー、やっぱり早いなあー。
大輝くんはぶっちぎりで1位。
しばらくして、息を切らした大輝くんが戻ってきた。
「はあっ、はあっ、どうだった!?」
「すごく早くてびっくりしたよ!」
「やった!次クラスのやつだから、早く行こうっ!」
「あ、うん!」
それからクラス全員でやる大縄をして、騎馬戦を観賞した後に僕の出場する玉入れ。
玉入れは意外と疲れることが判明した。
あと、カゴに入らなかった玉が当たって痛い…綱引きも力一杯やったら手が綱でこすれて痛かった…
「藍!」
「ん?どうしたの?」
「次!借り物競走だぞ!」
「もうそんな時間!?」
「おうっ、頑張ってこいよ!これ終わったら飯だぞ!」
「わかった、一応頑張る!」
緊張するなー…それに、今日はまだ一回も先生を見かけていない。
どっかで見てるのかな…あっ僕の番だ…
「位置についてっ、よーい」パァン!
白線で書かれた円の中の紙を取りに行く。やっぱり走るのは苦手だなあ…
よし、これにしよう。
バッ
紙を開いたらそこには"男の先生"と書かれていた。
「えっ」
碧さん何処かに居るかな?
キョロキョロしてみたけど、見つからない。
周りの子達は次々と紙に書いてあるものを探しにでてるのに、僕だけはまだ円の中。
えー…男の先生…先生…もうっ、誰でも良いやっ…!
1番近くに居た国語の先生の腕を全力で引っ張った。
「はっ?えっ?」
すごく驚いてるみたいなので紙を見せる。
「ああ、なるほど…」
とりあえず先生を連れてゴールまで全力で走った。普段こんなに走らないからすごい疲れる…結果はなんと3位だった。
頑張った方だろうか…
「はあっ、はあっ、はあっ」
「大丈夫?」
先生は比較的若いし、全然疲れてないみたい…
「はあっ、大丈夫っ、です…ゲホッ」
「あ、ごめん喋らなくて良いよ!」
そう言って僕の背中をさすった。
「すいません…」
「大丈夫大丈夫!あ、僕水買ってくるよ!待ってて!」
「え!?あっ、せんせっゲホゲホッ」
行ってしまった…
「はい、これ飲みな。」
「ありがとうございました…」
先生に向かって頭を下げる。
「良いよ良いよこのくらい!気にしないで!」
「ふふっ」
「どしたの…?」
「いや、先生優しすぎます」
「え?」
「あんまり優しすぎると生徒たちに馬鹿にされちゃいますよ?」
「うーん…それはもう遅いかな…ははっ」
「確かに…」
そういう印象はある。
「なんだとー?」
「へへっ」
碧さんばっかり見てたから気づかなかったけど、良い先生もいるものだな…
今度から国語の授業ちゃんと聞こう。
「藍ー!!」
「ん?、あ、大輝くんっ!」
「どうしたんだ?」
「いや、ちょっと先生と話してて」
「へー、こんちはっ」
「こんにちは」
「じゃあ先生、僕行きますね、お水ありがとうございました」
「いやいやこちらこそ、話せて楽しかったよ」
「じゃあまた!」
「うん、また今度…」
「行こっ、大輝くん」
「ああ、うん!」
「清水…藍くん…か。」
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