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僕らの体育祭。⑤【藤原碧 編】にしおりをはさみました!
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僕らの体育祭。⑤【藤原碧 編】
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藍を資料室に呼び出した日から約2週間が立った。あっという間に体育祭だ。
先生という職業は行事があると異常に忙しい。俺は一応新人の方だし…やらなければいけないことが山ほどある。体育祭すら楽しめない。
それに、藍とはあの日以来まともに話せていない。電話したくても、帰ったらあいつはもう寝ているだろうし…せめて今日、藍が頑張ってるの見たかったな…なんて思っていたら、それが通じたのか、昼休憩の少し前から休んで良いことになった。
丁度借り物競走の時間らしい。
よく見えるように、校舎のベランダから見ることにした。グラウンドを見渡して藍を探す。
あ、いた。
紙拾ってキョロキョロしてんな…動かないし、何が書いてあったんだ?
ん…?
あいつ…確か国語担当の…青柳だっけ?
なんか気が弱そうな感じの…残念なイケメン君だよな…
時間勿体無いし、呼び出すよりも会いに行った方が早いかな。やっと話せる。
ここかな…あ、「ら!…ん…」
まだ話してたのか…自然と身を隠してしまった。盗み聞きしてるみたいでなんか悪いな…
「ありがとうございました…」
「良いよ良いよこのくらい!気にしないで!」
「ふふっ」
「どしたの…?」
「いや、先生優しすぎます」
「え?」
「あんまり優しすぎると生徒たちに馬鹿にされちゃいますよ?」
「うーん…それはもう遅いかな…ははっ」
「確かに…」
「なんだとー?」
「へへっ」
藍が他の男の前で笑っている。
それだけでなぜか腹が立つ。
佐千原と話してるの見てもこんな感情にはならないのに。
「藍ー!!」
「ん?、あ、大輝くんっ!」
「どうしたんだ?」
「いや、ちょっと先生と話してて」
「へー、こんちはっ」
「こんにちは」
「じゃあ先生、僕行きますね、お水ありがとうございました」
「いやいやこちらこそ、話せて楽しかったよ」
「じゃあまた!」
「うん、また今度…」
「行こっ、大輝くん」
「ああ、うん!」
出るタイミング完全に失ったな…はあ…戻るか。
「清水…藍くん…か。」
!?
今こいつ…なんて…
振り返って青柳を見たらわかった。
ああ、藍を好きになったんだ…
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