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僕らの体育祭。⑧【大輝編】にしおりをはさみました!
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僕らの体育祭。⑧【大輝編】
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「あっ、藍!」
「大輝くん」
「どこ行ってたんだ?もう始まってるぞ?」
「うん、ごめんねっ」
妙に にこやかだし、頬がちょっと赤いような…
「…良いことでもあった?」
「うんっ!」
そんなに笑顔で言われちゃうとな…
「そっか…藍は素直だなあ。」
「そうかな…」
「そういうところが、藍の良いところだと思うよ。」
「ありが、とう…?」
明らかにキョトンとしながら言ってくる。
首を傾げて少し目を見開いて…自然と上目使いだし!ばーか!それが可愛いんだっての!
ぬあぁ…!
「よしっ!んじゃあ俺リレーのとこ行ってくるわ!」
「うんっ、行ってらっしゃい」
微笑んで手を振る藍。天使だな…
藍は、きっと俺にはもう藍を好きだって気持ちがないと思ってんだろうな。
これだから無自覚は…
リレーに参加する人たちが集まっている場所に向かうと、見覚えのある顔が腕を組んで棒立ちしている。
言ってしまえば、藍を独り占めしている人だ。
「藤原先生。」
「はい?………あ?」
「こわっ」
お得意の作り笑顔で返事をして、俺を見た途端この顔だ。怖すぎる。
「ふふっ、何か用かな?佐千原くん?」
目が、全然笑ってない、というか、なんか、機嫌悪くないか…?
「いや特に…機嫌悪いんですね。」
あ、ピクッとした。
「あ?」
「藍と会ってたんじゃないんですか」
これは俺の予想だったけど、先生が一瞬固まったから、やっぱそうなんだろうな。
「…………まあな。」
やっぱり。
「藍はご機嫌で帰って来ましたけど」
「だろうな。」
「藍と何かあったんすか?」
「いや、藍ってよりは…藍を好きなやつのことで。かな…」
「え!?」
藍を好きなやつ!?
「うっせえばか黙れ。」
相変わらず俺には当たりがきついな
「あっ、はい…」
「お前もさっき見ただろ?」
「何をですか?」
「藍と…青柳っていう国語教師」
「……ああっ、見ました!」
「あいつが藍を好きになったみたいなんだ。」
「ええええ!?」
自分でも顔が青ざめたのがわかった
「だからうるせえって首絞めんぞ。」
「やっ、やめてください…」
「まあ…だから…」
「?」
なんだ?
「色々あったんだよ…」
「はあ。」
はぐらかされてしまった。
「ってことで、そいつと藍が話してたら全力で邪魔しろ。」
「…えっ!なんで俺が!?」
「お前が藍を好きだからだ。」
「…………」
顔がひきつる。
「わかったな…?」
「はあ…出来る限りで良いなら…」
「よし!お前は家畜から下僕に昇格させてやる。」
「俺の位置づけ低すぎるでしょ…」
「妥当だ。」
本当にひどいなこの人…
よくこんな鬼畜と一緒に居るな藍…大丈夫なのか…?
「あっ、藍は…?」
「は?藍?」
「はいっ、藍のことをそうやって位置づけるなら?」
「……死んでも追いかける。」
「…………お、重いですね。」
そしたら先生は驚いた顔をして笑った。
「ははっ、そんなの今更だ。あいつが逃げたって、離すつもりはない。もう、そうやって伝えてあるしな。」
「結局のろけでしたね…」
こんなこと言ったけど、藍がなんでこの人を選んだのか、少し、わかった気がした。
「まあな。」
「……ああ…俺も恋人欲しいなあ…」
ぽろっと出た言葉。
俺ってこんなこと思ってたのか。
「紹介してやろうか?藍以外なら。」
ほんとに藍のことすきなんだな…ちょっと引くくらいに。
「いや…今は良いです…」
「なんで?」
「なんでって…それは…」
「まだ藍を好きだから?」
「っ!」
解ってて聞いてくるのか…
「…紹介されるなら男と女どっちがいい?」
「えっ…」
「かと言って、お前に紹介できるような女は居ないんだがな。皆ビッチかアバズレだ。」
「まじすか…」
「男なら良いやつばっかだけど、お前別にゲイじゃないし…」
「…………」
「どうした。」
「いや、先生はほんとに藍が好きなんですね…」
俺や青柳先生を遠ざけようと必死だ。
こんな人だとは思ってなかった。
「好きじゃない。」
「は?」
「愛してるんだよ。」
にやりと笑って答えた先生にこっちが照れる。
「ふぅ…もうノロケは良いです…」
「だからお前もノロケられるように相手を見つけろと何度も…」
「じゃあ…本当にさみしくなったらお願いしますよ」
「あ、ああ…」
「リレー頑張ってください、おっ・さ・ん」
俺はそう言って皆が集まってるところに逃げた。
「てめっ…!」
「ははっ!」
俺にも、あれだけ好きになれる人が現れるのかな…
って考えてもしょうがないか!
その時はその時だ!
「くはー!リレー頑張ろっ!」
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