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5.裁かれる想い18
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こんなにはっきりと感情を表現する栗原を見るのはは、僕たちが初めて身体を重ねた夜以来だった。
いや、あの時以上に、今の栗原は激昂している。
「うるせえ! 俺が一番悠生を愛してんだよ!」
荒川さんも同じだ。外していたズボンのホックを留めながら、栗原を睨みつけている。僕から栗原へ、完全に意識が逸れているようだ。
「どの口がそんなこと……っ!」
「だからうるせえっつってんだよ!」
「栗原!」
荒川さんの反撃が始まった。今度は荒川さんの拳が栗原の頬を直撃した。僕を殴るときはいつもお腹を殴るのに、栗原のときは顔を狙っている。反撃に対してもまた栗原が反撃仕返して、すぐに殴り合いが始まった。
荒川さんは本気だ。いくら栗原でも、嫉妬に狂い常識というしがらみを失くした荒川さんが相手では、どうなるかわからない。
「やめてください!」
精一杯叫んだつもりの声も、荒川さんと栗原の怒声にかき消されてしまう。
そのとき、かすかにドアをノックする音が聞こえた。これだけ怒声と拳が行き交っているのだから、周りの部屋の人が何事かと驚いても無理はない。
僕は、ドアの鍵を開け、助けを求めるかどうか迷った。助けを求める「べき」であることは明白だ。だけど、今の僕の姿を他人に見られても良いものか……。
それでも、この状況を放っておくわけにはいかない。僕だけで対処できないのだから、他人の手を借りなければならない。
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