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浮気確定にしおりをはさみました!
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浮気確定
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店を出ると、辺りはすっかり暗くなっていた。
会長は「美味しかったね。」と満足そうに笑っている。
......なんでそんなに普通なんだよ。
先程頬を舐められてから会長の顔があまり見れない。
だっておかしいだろ。
人前であんな事するなんて...
思い出しただけで顔が熱くなる。
あー恥ずかしい。
ああいう事をされた事が今までないからこう思うのだ。
てかカップルってああなのか?
それだったらゆくゆくは菅谷とそういう事を......
**妄想中**
俺『菅谷、そこ付いてるぞ』キラキラ
菅『えっ!やだなあ...どこどこ?』
俺『ここだよ...』ペロリ
菅『ひゃっ!は、恥ずかしいよ...もう......///』
俺『はは、菅谷は照れ屋だな。』
菅『そっそんなことないもんっ!宗吉くんのいじわるぅ......♡』ポカポカ
あ、やべえ鼻血出そう。
「宗吉ーもう寮に帰ろうか。」
ニヤニヤして立ち止まっていた俺の、少し前を歩いていた会長は、振り返って俺に訊ねた。
はいはい。現実に戻ってきましたよっと。
俺ははあ、と切ない溜め息を漏らす。
俺は会長のもとへ小走りすると、隣に並んで歩いた。
会長は「ふふ、今日は楽しかったね宗吉。」と微笑んだ。
俺も「そうだな」とだけ返す。
「カップルなんて言ってごめんよ。
どうしても食べたかったんだ、あのパフェ。」
「......もう終わったことだから...気にすんな。」
全然申し訳なさそうじゃない様子の会長に、軽く返す。
たかがパフェの為に幼馴染みを使いやがって。
会長の気まぐれなカップルごっこに付き合わされて、こっちはたまったものじゃない。
...まあ、あの場で抵抗しなかった自分にも非はある。
一発、右ストレートをお見舞いしてやっても良かったか。
あ、それはナシ。
会長の顔を殴ったりしたら俺は確実に地獄行きだ。閻魔様こんにちは。
俺は、自分がグツグツと煮えた釜の中で最後を迎えるシーンを頭に浮かべ、身震いした。
そんな事ばかり考えていた時、
「宗吉!」
会長に叫ばれ、手をグイッと引っ張られる。
え?
俺が会長の胸の中にポスン、と納まると、後ろを大きなトラックが風を切って走り去っていった。
な、なに?
俺は状況を掴めず呆然としていると、会長がキツく抱き締めてきた。
「宗吉危ないだろう!轢かれるところだったんだよ!」
会長がすごい剣幕で怒っている。
いつも穏やかだからか、会長のそんな様子にびっくりする。
あ、今、俺、轢かれそうになったのか。
会長の顔を覗くと、眉を八の字にして、涙目で俺を見つめていた。
「なんで...薫が泣いてんの。」
「...っ泣いてなんかいないさ。
ただ、宗吉が死んでしまうかと思ったんだ。」
そう言うと、その大きくて温かい手が、俺の頭を優しく撫でた。
「どこも怪我してないかい?」
優しい声音。
でもその中に怯えが感じられる。
......本当に俺の事心配してくれたんだな。
そう考えると、胸の辺りがズクリと痛んだ。
俺には理解できない痛みだ。
「悪い...ありがとな...」
俺はそれだけ言うと顔を背けた。
くそ.....っ何か調子狂う。
.........。
「てか、いい加減離してくれるか?」
俺がそう言うと、会長は更にギュウッと締めてきた。
「まだだめだよ。車が通ると危ないから。」
「今通ってねえよ!!」
俺が吠えても、会長は離してはくれなかった。
しかも先程はボーッとしていて気が付かなかったが、この道は寮のすぐ近くの道路だった。
端から見たら、俺達はイチャイチャ抱き合っている様に見えるだろう。
ヤバイ......うちの生徒に見られたら俺死ぬっ!!
そう焦っていると、運の悪いことに、うちの学校の制服を着た男子が二人、視界を横切った。
まずい......っ!
俺はバッとそちらを向く。
そして固まった。
向こうの男子も固まっている。
「宗吉くん......?」
俺の彼氏、菅谷だった。
浮気確定しました。
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