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高平家にしおりをはさみました!
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高平家
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電車で寝てしまった俺は、会長に起こされた。
するともう降りる駅だった。
...会長と何か話してたけど...なんだったかな
俺は目を擦りながら、ホームに降りた。
久しぶりの風景に思わずほっと落ち着く。
懐かしいな。
そう思っていたのも束の間、駅のロータリーに停まっていた、黒いベンツに目が留まる。
......この高そうな車は。
車の外へ出てきた運転手が俺達に気付くと、こちらに駆け寄ってきた。
「薫坊っちゃま、宗吉殿!よくぞ帰られました!!」
「やあ、重蔵。久しぶりだね。」
会長は嬉しそうに笑った。
ロマンスグレーの彼は高平家の専属運転手・重蔵さん。
昔から会長も俺もとてもお世話になっている人だ。
「長旅でお疲れでしょう。ささ、お車の中へ。」
そう言って後ろのドアを開けてくれた。
なんかこの感じ懐かしい。
全部が懐かしくて、帰ってきたんだな、と実感させる。
車が滑らかに動き出すと、重蔵さんが話しかけてくる。
「薫坊っちゃま、生徒会長になられたと聞きましたぞ。
ご立派になられて...爺も大変嬉しく思っております。」
そう言って、鼻を啜っている。
オイオイ、ちゃんと前見て運転してくれよ。
「ふふ、やだなあ。それを言うなら宗吉だって副会長なんだよ。」
「おや!宗吉殿も!
あんなやんちゃ坊主だった宗吉殿が副会長!
世も末ですのう......」
このじいさん一言余計なんだよ。
俺は重蔵さんに聞こえるように咳払いをする。
重蔵さんは笑って「嘘ですぞ。」と答えた。
「いやあ、爺は鼻が高いですなぁ。
お坊っちゃま方がこんなに立派に成長されて。
さあ、もう着きましたぞ。」
そう言って緩やかに減速する。
門の前に止まると、門が自動で開いていく。
そしてまたゆっくりすすんで、玄関前に停めてくれた。
「それでは、ご到着致しました。おかえりなさいませ。」
そう言ってドアを開けて荷物を出してくれた。
そしてペコリとお辞儀をすると、重蔵さんを乗せた車は、車庫に入っていった。
会長がチャイムを鳴らすと、パタパタとスリッパの音が聞こえてきた。
「はあ~い」
そして、明るい女性の声が聞こえてくる。
がちゃり、と装飾された白い扉が開く。
ふわり、と香水の匂いが漂った。
「ただいま、母さん。」
会長がそう微笑むと、女性が驚いた顔で立っていた。
「あら薫!おかえりなさい!
まあ、宗吉くんも!」
「お邪魔します。」
俺がそう言うと、彼女は可笑しそうに笑った。
「うふふ。宗吉くん、ただいま、でしょう?」
相変わらず、そういうところも会長に似ている。
俺はぎこちなく「ただいまです...」と言うと、会長と彼女は満足そうに笑った。
すると。
「ワンワン!」
と吠えて白くて大きな毛の塊がこちらに駆け寄ってくる。
会長はぱあっと表情を明るくした。
「ジョセ吉!」
そう言うと、それに抱きついた。
出てきた女性は、会長の母親・高平沙希子さん。
栗色の髪を綺麗に巻いて、フリフリとした淡いピンクのワンピースを着ている。
とても若くて綺麗だが、兄弟三人の実の母親だ。
会長は、彼女にとても似ている。
そして会長を押し倒してハフハフしている白い毛の塊は、高平家の愛犬・ジョセ吉だ。
主人が帰ってきて嬉しいのか、尻尾をふりふりしている。
最初はジョセフィーヌという名前だったのだが、俺になんか似ているからと言って、次男さんがおもしろがって付けた。
読みは違うけど。
そして、実際全然似てはいない。
会長はまだジョセ吉と戯れている。
沙希子さんは、
「もう。薫ったら相変わらずジョセ吉のことが大好きなんだから。
宗吉くん、先に行きましょ。」
と言って俺の手を引いた。
なんか、手も白くて似てるよなーとか思っていると、沙希子さんは振り返って微笑んだ。
「宗吉くん、元気そうね~」
「まあ、はい。」
「薫、我儘言ってない?」
「特には...」
「ふふ、ならいいんだけど。」
そう言って俺から手を離すと、ソファに座らせた。
大理石の床に置かれたそれは、やはり高そうだった。
沙希子さんが紅茶を淹れて持ってきてくれる。
「ありがとうございます。」
「いいのよ~♪」
そう言って俺の向かいに座った。
そして、にっこり笑う。
「薫に意地悪されたら言ってね。」
そこで少しギクリとする。
い、意地悪っていうか...変なことはされたよな...
でもそんなこと言えるわけないだろ...
媚薬盛られました、とか
オナニー見られました、とか
俺は「はい...」と弱々しく答えた。
玄関の方から、「はは、ジョセ吉、くすぐったいって。」と言う会長の声が聞こえてきた。
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