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「神様ぁ!?...なんだそりゃ、ウケるっ!」
夜になり、神事の後片付けを終えると、母屋では神事の関係各位が集まり宴が開かれている。そんな中、琴子の計らいで離れに巫女都と正太郎の食事が運ばれ、2人はその場に居る人達に挨拶をすると離れへ向かった。
離れに着き食事をしながら巫女都は正太郎に昼間あった不思議な白昼夢の話しをし、白い世界で出会った黒袍を纏う人物は、ひょっとしたら神様なのではと思い、正太郎にそう話したら盛大に笑われている。
「もう!! 真剣に言ってるんだから笑わないでよ!」
「はは、わりぃ。だってよ、神様なんて俄には信じらんねぇよ。見たことねぇし。」
「僕も16年ここに住んでるけど、初めて見たよ...」
神様かもとは思うものの、ちょっとした心霊体験をした気分で恐ろしくて腕を擦りながら正太郎にそう言う。
「あー、でも巫女、そういや昔も同じ様な事言ってた気がするな。」
「 えっ!?...いつ?」
そんな事を言った記憶が無くて、正ちゃんの腕を掴み前のめりにりながら聞く。うーんと考える素振りを見せた正ちゃんが「チューしてくれたら思い出すかも。」とふざけてきたからイラッとする。こっちは真剣なのに。
「.....正ちゃん、怒るよ。」
「 はは、怒んなよケチだな。....んと、10年位前か?今日みたいな神事の時、神社で遊んでたら巫女急に居なくなって、やっと見つけたら神様に会ったって言ってたじゃん。」
「えー、全然憶えてない」
記憶を探ってみるもちっとも思い出せないでいると、正ちゃんが話してくれた。
「あん時も、誰かに自分のもんだって言われたとか言ってて、おばちゃんが変質者かもってビビって巫女の事急に道場通わせ出したんだよ。」
「 ....全然知らなかった。正ちゃん、よくそんな昔の事憶えてるね。」
普段の正ちゃんはこう言ったら失礼だけど馬鹿だ。勉強はテスト前に一夜漬けだし、よっちゃんの言い付けも忘れたとすっぽかす事がほとんどだ。そんな正ちゃんが僕も憶えていない、僕の事を鮮明に憶えている事に正直びっくりした。
「巫女の事は大体な。あの時、ババァとおばちゃんに何で一緒に居なかったの!!ってこっ酷く怒られたしな。....それに、」
「 それに?」
「それにあの時、巫女が、僕は何時か神様と結婚するんだって言ってて、結構ショックだったんだよな。はは、今思うと笑えるな、」
苦笑いする正ちゃんを思わず抱き締める。単純に嬉しかった。小学生の正ちゃんのその気持ちが何なのかは分からないけど、そう思ってくれていた事が凄く嬉しかった。
「 正ちゃん大好き。」
「 知ってる。」
お互いにの額を合わせて目を閉じると、巫女都は心の中で願う。
神様、何時かこの身体が終わって、魂になったら必ず約束を果たします。...でも、それまでは正ちゃんの側に居させて下さい。
「....渡さねぇよ。」
「 え?」
まるで思考を読んだ様なタイミングで言われて、僕は驚く。そしたら正ちゃんは自信満々に言い切ってくれた。
「エロ神様に巫女は渡さない。現世も来世も巫女はずっと俺んだ。」
その言葉に笑った僕は、罰当たりだけど神様との約束は反故にしようと決めた。
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