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*番外編*世界を幸せにするものにしおりをはさみました!
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*番外編*世界を幸せにするもの
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生徒会室で仕事をしている俺。
パチパチとキーボードをたたいていると、先生に書類を届けに行っていた隆盛が帰ってきた。
「おかえりー」
「ただいま。ほら土産」
隆盛がテーブルに置いたのは……おぉ、パティスリーブランの箱!
俺が大好きな洋菓子店だ。
「どーしたんだ?これ」
「理事長にもらった。職員室行ったらちょうど理事長が配ってて、持っていけだと」
理事長ありがとうございます!と心の中で感謝を述べる。
休憩するか、の一言に激しく頷いた俺はデータを保存して素早く立ち上がり、キッチンに行ってお皿とフォークと飲み物を用意した。
その素早さに隆盛は苦笑いだ。
「ん〜うまい」
ベリーのタルトにティラミス、かぼちゃのシフォンに三層のチーズケーキ。
迷った末に選んだのは、ティラミス。
はー幸せ。
甘いものはそんなに食べないという隆盛はかぼちゃのシフォンを選び、二口ぐらい食べただけで俺にくれた。
二つとも食べたところで、満足とばかりにソファに深く座り込む。
「本当幸せそうに食うのな、お前」
「甘いものは世の中を幸せにするんだぞー」
そうか、と笑う隆盛はふと何かを思いついたのか、じーっと俺を見てきた。
「なに?」
「甘いものは世界を幸せにする、か」
ニヤリ、と笑う隆盛。この顔は見たことあるぞ。アレだ。今から食いますって顔だ。
何をって、俺を。
「…お腹も満足したし、仕事しよっかなー」
と体を起こそうとしたけど、隆盛によって止められた。
押し倒されてます。
「隆盛?ほらもうすぐ先輩たちくるだろ?」
「いや、今日は二人とも来れないと連絡があった」
なんだと。
「えっと…ここ生徒会室だしな?神聖なる仕事場でそんなことしたらダメだと思うんだ、うん。」
すると隆盛は笑みを深くして、そして。
「ふっ、んーーっ」
噛み付くように、キスをしてきた。
舌で遠慮なく口の中を這い回り、クチュクチュと音が響く。
隆盛のキスは、すぐに俺をアツくさせる。
そうなるとあとはもうなし崩し的な状態で。
しつこすぎるぐらいの口づけが終わる頃にはもう、抵抗する力は半減どころじゃない。
クスリと笑った隆盛は、ちゅっちゅっとリップ音を響かせながら頬やコメカミ、目尻、耳へと唇を落として行く。
耳たぶを軽く喰(は)み、舌先でくすぐるようになぞり、そして首筋を通る頃にはすでにシャツのボタンははだけられていて。
舌と指が鎖骨を滑って、やがて敏感に感じる胸の突起にたどり着く。
そこを刺激されてしまえば、もう抵抗する力は皆無なわけで。
「あっ、ん…ふっ」
俺、陥落しました。
制服のズボンは下着と一緒に取り払われ、前がはだけられたシャツのみを羽織る俺は、ソファに仰向けに転がされ足の間には服一つ乱れていない隆盛。
ペロペロとアイスでも舐めるみたいにそこに舌を這わせている。
「んっ、甘いな」
なんて言うもんだから、恥ずかしいことこの上ない。
さっきから戯れるような刺激ばかりで、ピクピクと快感には震えるものの、絶頂を迎えるものでは決してなくて。
「あっ、ん…隆盛っ…もっと…っ」
深く、くわえて。
なんて言葉では言えるはずもなく、目で訴える。
そんな俺の思いを絶対気づいているはずなのに、意地悪く笑みを浮かべるだけ。
火のついた体はもっと深い快感を欲しているのに、それを与えてくれない隆盛。
「やっ、おねがい、だからっ…」
生理的に浮かんでくる涙、それを目にした隆盛の瞳が眇められる。
「お願い、だから?」
続きの言葉を言わせようと復唱してくる隆盛をキッと睨みつける。
「だから言ってるだろ。んな顔で睨まれても可愛いだけだって。ほら、言ってみろ」
催促をするように先端部分だけを口に含み、ちゅうっと吸い上げた。
その刺激に、口が開く。
「あぁっ、ん…もっと、く、わえてっ…」
「ふっ、わかった」
「あぁんっ、あ、ふぁっ……」
全てを隆盛の口に収められ、中の熱と狭さが俺を煽る。
あっという間に追い上げられ、高々と甘い悲鳴を上げながら熱を放った。
軽く息を乱す俺を覗き込みふっと笑った隆盛は俺の体を持ち上げ自分の膝へと座らせ、それによって隆盛を見下ろす体勢となる。
スルリと人差し指と中指の二本が俺の唇をなぞり、何を催促されているのかを察した俺は口を開けてその二本の指に舌を這わせた。
「…ん、ふ、」
「ん。もういい」
しばらく舐めているとようやく口から離れて行った指は下へと向かい、するりと後ろを撫でる。
「腰、上げろ」
隆盛に跨がりながらソファに膝立ちの状態で両手を隆盛の肩に乗せ、与えられる刺激に耐える。
「んっ、あ、ん…っ、りゅ、せ…っ」
「なんだ」
「も、いー、からっ」
はやく、ほしい。
そう耳元で囁けば、片方の手で頭を抑えられ噛み付くようにキスをされた。
「はっお前は…あんまり煽るな」
欲望を携えた黒い瞳が、そこにあって。
ーー俺だって。
「隆盛に…煽られてるもん…」
その黒い瞳に、熱に、鼓動に……隆盛自身に。
「んっ、はっ…やぁっ」
「やじゃねぇだろ、んな顔して」
「あぁっ、だって…んっ、もうちょっ、ゆっく、り…!」
「無理。煽ったお前が悪い」
対面座位のまま下からガツガツと揺さぶられ、その激しさに脳が揺れる。
「やぁっ、も、い、く…っ、んんっ」
「んっ、こら、締めるな」
「んっ、は、む、りぃっ」
限界がすぐそこに見えた俺は、隆盛をキツくキツく締め付けた。
それによってさらに体積を増した隆盛のモノが、これでもかというほど弱い部分を突いてくる。
「んっ、あ、い、くっ、んんっ」
「聖夜」
「あぁっ、ん、な、にっ」
呼ばれ肩に埋めていた顔を上げる。
すると隆盛は、最高に甘い顔をして、そして最高に甘い言葉を、吐いた。
「愛してる」
「ーーーーっ、ん、あっ、あぁぁっ」
それによって限界スレスレだった俺は絶頂を迎え、そしてもう少しだけ付き合え、とその後も揺すぶられ、ようやく隆盛も達した。
生徒会室にある予備の制服を取りに行った隆盛。
うん、俺はほとんど剥かれてたから、服は無事でした。
それよりも俺の、えっと、その、アレで、隆盛の制服のほうが汚れてしまいました。
火照った体もようやくおさまりつつ、ふぅっと一息ついていると、着替え終わった隆盛が横に座った。
そしておもむろに、一言。
「お前の言うとおりだな」
なにが。
「甘いものは世界を幸せにするって」
それはケーキを食べたあと俺が言ったもの。
今更納得なの?と不思議に思っていると。
「甘いお前を食うと、幸せなる」
ーーー俺の世界がな。
耳元でそう囁く。
「ーーーっ」
な、なななっつー恥ずかしいことを……!
瞬時に真っ赤になる俺を見て、クスリと笑う隆盛。
うう〜と唸りながらも、そうかも、と思う俺。
ーーー隆盛からもらう甘いものは、確かに俺の世界を幸せに、する。
END
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