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恋3にしおりをはさみました!
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恋3
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なんだ、コレ。
シフトを何気なく見ていたら、その異様さに目を疑った。
今まで、週に1、2回しか入っていなかった亮が、週に5回以上入っている。しかも、ダブルシフトもある。
「おい、何考えてんだよ。こんなんじゃ亮が倒れるぞ!」
店長につかみかかると、不機嫌そうに手を払われた。
「本人がさせてくれって頼み込んできたんだ。無理にさせてるわけじゃない」
本人が?前は、恋人と過ごす時間を大切にしたいって言ってたのに?
どういうことか本人に問いただしたかったが、あいにくと亮を避けるようなシフトを組んだせいで、顔を会わす機会がない。次に一緒のシフトになるのは一週間後だった。
じりじりとした一週間後、久しぶりに見た亮のあまりの変わり様に、何も言葉が出てこなかった。
もともと細身だった体は、今にも消えそうなくらいで、よく眠れていないのだろう、目の下の隈が激しく濃かった。
おれが物言いたげな様子を察したのか、おれと全く目を合わせようとしない亮。何かあるのはすぐにわかったが、その避けられているような態度が辛くて、それ以上踏み込めなかった。
そんな状態が、どれくらいの期間続いたのだろうか。
亮を見るのが辛くて、でも見かけないと気になって堪らなかった。
ある日、とうとう亮の無断欠勤が続く。どちらもおれの空いてる時間だったから、カバーに入った。恩を売ったつもりだったかもしれない。
その帰り、いつか亮が彼氏と待ち合わせていたコンビニの前で、その彼氏が立っているのを見つけた。
向こうもおれに気づいたようだ。
「おい、アンタ。亮と一緒に住んでるやつだよな?」
ケンカ腰だと自覚はあった。だが奴の言葉に頭に上った血を下げることが出来なくなる。
「亮はまだバイトなのか?」
ナニ言ってんだ、こいつは。亮が無断欠勤してることも知らない?
一緒に暮らしてて、あんだけ亮が痩せ細っているのを放置して、亮が今どこにいるのかも知らないって言うのか。
その場で殴りかからなかった自分を誉めてやりたい。
その後、深夜まで営業しているカフェに移動し、浮気のことを問いただすと、アキラとか言う奴は逆ギレしてきやがった。
冷静に返すおれが気に食わないのか、睨み付けてくるガキ。そんなもんで、ビビるか、アホ。
「亮には言ってねーけど、おれは、亮が好きだ・・・だから、相手がおれじゃなくても構わない。亮には幸せでいて欲しい、笑ってて欲しいんだ。頼むよ、これ以上あいつを傷つけないでやってくれ」
そう言いながら悔しいけれど頭を下げる。亮が選んだのはコイツなんだ。亮が笑ってくれるなら、おれのプライドなんてどうだっていい。
そう思っていたおれの頭上に響いたのは、とんでもない言葉だった。
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