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傷だらけ④にしおりをはさみました!
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傷だらけ④
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「オヤツもってきたよ〜」
お盆にジュースとお菓子を乗せて満面の笑みで入ってくる母。
とたんその笑顔が消え、表情が固まった。
「……あら‥」
佐木はその様子を見てやっぱり…と顔を背ける。
「………」
「帰る」そう言って立ち上がろうとした時ーー。
「どうしたの!すごい怪我してるじゃない!」
母がお盆を床に置いて佐木の頬を両手で包み、顔を寄せた。
「え、ちょっ…」
あまりに近い距離感に佐木の体が後ずさる。
「お母さん!サキくん、嫌がってるから」
「あ、ごめんなさいね!」
慌てて手を離す。
「あなた、サキちゃんていうの?」
かわいい名前ねぇ、と呑気に感想を述べている。
「お母さん、苗字だよ。苗字がサキくんなの」
「あら、そう。よろしくね、サキちゃん。」
ユウキの母、美代子です、と佐木に頭を下げた。
「美代子って呼んでね」
佐木は相変わらず固まったままだ。
「ゆうちゃんがコレしてあげたの?」
佐木の体中にある絆創膏やガーゼを指差し、器用になったわね〜と感心する。
「それじゃ、サキちゃん。お洋服脱ごうか」
ニコニコ笑顔から、突然思わぬ発言が飛び出した。
「…え?」
「…お母さん?」
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