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高田千夏ちゃんにしおりをはさみました!
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高田千夏ちゃん
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あらかじめ奏里にきかされていた2-4の教室に入ると(かるぅーく迷子になったのは秘密)、わいわいがやがや、とても賑やかな雰囲気だった。
やはりこれも妹に教えられた席に座るが、みんなお話に夢中で、誰も僕に気がつかない。
妹の好きな人を、写メを見せてもらった記憶を頼りに探す。
席にはいないようだし、登校時間は遅いし遅刻してくることが多いときかされていた僕は、一旦その人のことは諦めて、妹のお友達を探すことにした。
(あ、あの子かな?)
なんだかみんなの輪の中心にいるらしいその女の子は机の上に座って、太陽みたいな笑顔で楽しく談笑していた。
髪はショートでふわふわしている。前髪はかなりの眉上で、活発そうな子だった。
奏里が「その子にだけは入れ替わりのこと伝えとくから、その子を頼りなさい。大丈夫!見た目通りの良いやつだから」って言ってた、けど…
(あんなみんなの中心にいる子に、僕が話しかけるなんてむりっっ!!)
自分(奏里)の席で縮こまりながらみんなの方をちろちろ見ていると、その子が僕に気がついたみたい。
その子がもうちょっとでチャイム鳴るじゃーん、と大きめな声で言うと、周りの子たちも自分の席に戻り始めた。
その子はニコニコと、やはり太陽みたいな笑顔で僕に近寄ってきて、僕の右隣に腰をかける。
そして人見知りで固まってしまった僕に向けて、コソッと話しかけてくれた。
「初めまして!奏太くんだよね?」
「あ…えっと、その、そう、です…」
「そんな緊張しないでよー。
私は高田 千夏(たかだ ちなつ)だよ!
奏里はちぃって呼んでるから、きみもそう呼ぶこと!」
「え…あ、はい、よりょしくお願いっ…」
噛んだ!!!
いたい!
噛んだ!!!
そして恥ずかしい!!!
「ははっ…確かに顔はおんなじだけど、性格は正反対ってかんじだね。
よろしくよろしく!」
「うぅ…すみません…」
「だいじょぶ!
あのさ、難しいかもだけど、誰に対しても敬語と他人行儀はナシだよ?
バレないようにしてくれって奏里様からのご命令ですからねー。
私も口を酸っぱくして言わせてもらうよっ!」
そう言うと、すっぱそうに口をすぼめてから、えへへっと笑みを濃くする千夏さん。
その笑顔はやっぱり太陽みたいで、僕の心もほぐれていくようだった。
「ありがとうございます、千夏さん」
お礼を言ったら、まじまじと僕を見つめてから、ちょっと怒ったような顔で、
「もう、早速!?
そこは、『ありがと、ちぃ』だよっ!
もっと奏里みたいに振舞わないと!」
と注意されたので
「あ…そっか。
ありがと、ちぃ」
って返した。
そしたらちぃがまた僕の顔をまじまじと見つめてくる。
どうしたんだろ?
「あの…何かついてる?」
聞いてみると、ハッとした顔をして
「…なるほどねぇ。
とにかくよろしくっ!」
なんだかニヤッと笑ってからまた満面の、真夏の太陽みたいな笑みを僕に向けてくれるちぃは、「千夏」って名前がよく似合うな…なぁんてことを考えてたら、朝礼が始まった。
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