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暴力にしおりをはさみました!
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暴力
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※暴力表現、嘔吐シーンなどが含まれます。
「…っ!!!
なに、するの…!」
「ああ…あまりにも女顔だから半信半疑だったけど、ちゃんと男なんだね?
男もののパンツだし。
胸、は…奏里も大して変わんないけど」
ふふ、と笑いながら北村さんが近づいて来る。
怖い。
怖い怖い怖い怖い怖い。
北村さんの笑顔は、これだけで終わらないことを雄弁に物語っていた。
「ふふ、綺麗な顔。
ほんっと奏里にそっくりで…殺してやりたくなる」
ぞくり、と背中が粟立った。
北村さんの笑みが更に濃くなる。
破れたスカートをお尻に敷いて、ブレザーもワイシャツも前開きになってただ羽織っているだけの状態。
いつの間にか、震えも涙も止まらなくなっていた。
「藤堂」
「…良いんですか?」
「当たり前じゃない。そのためにあんたを呼んだんだから」
「お嬢様。失礼を承知で申し上げますが、こんなことをしても頭領は振り向きませんよ」
「…!!!
うるっ、さいなあ!黙ってやりなさい!
あんたをクビにだってできるのよ!!
ウチをクビになったやつが口封じのためにどうなるか、あんたが一番知ってんでしょう!!!!」
「……御意」
藤堂、と呼ばれる男が近付いてくる。
足がすくんで立つことも出来ない僕は、後ずさりして藤堂さんから離れようとした。
…が。
「う…。」
程なくして、どんっ、と背中が壁についた。
後ろには壁。
前にはサングラスをかけて表情の読み取れない藤堂さん。
さらにその奥には、笑みを浮かべる北村さん。
藤堂さんの腕が、振り上げられる。
「ひっ……!!!」
喉から変な声が漏れて、咄嗟に腕をクロスさせて顔の前に突き出した。
てっきり拳が飛んでくると思っていたのに、強烈な蹴りがみぞおちを襲う。
「ぅ…!」
言葉も出ないほど、苦しい。
こみ上げる嘔吐感を堪えられず、その場で吐いてしまった。
地面に手を突いて四つん這いに咳き込んでいると、いつの間にかしゃがんでいた藤堂さんの拳が、今度こそ僕の顔を襲う。
その勢いで頭を後ろの壁に強打し、周りを飛ぶ星。
「……」
その後は、痛覚はもうなかった。
何回も殴られて蹴られたけど、回数は覚えてない。
何かを考えることさえできなかった。
「藤堂」
と遠くから声がして、藤堂さんからの攻撃が止む。
「ね、奏太くん。今どんな感じ?
もう意識ほとんどない?」
「ぁ…」
北村さんが話しかけてきたけど、理解することさえできなかった。
ただ、口から出てきたのは一つの疑問。
「、ぅして……」
「ん?」
「ど、うして、こんなこと、する、の…」
きっとこの質問は、結果的には間違いだった。
北村さんの、タブーだったんだ。
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