アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
北村さんの事情にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
北村さんの事情
-
「なんでこんなことするのか……?」
ずっと後ろにいた北村さんが、僕に近付いてくるのがかろうじてわかった。
「決まってるでしょう!?!?
あんたが!!悪いのよおっ!!!!」
北村さんの平手が転がってる僕の頬に飛んできたけど、僕の顔にはもう感覚がない。
叩かれた、と認識することさえ億劫な程に僕は弱っていた。
「あんたが!お父様の興味を独り占めするから!!!
たまぁに一緒にご飯食べても!
『城川のとこの奏里ちゃんがなあ、偉いんだよ!家業を手伝って、しかも優秀なことこの上ない…!特に事務なんかはそこでずっと仕事してた組員並で…』『城川のとこの奏里ちゃんがなあ、模試で一番を取ってなあ…!』『城川のとこの奏里ちゃんが…』『城川のとこの奏里ちゃんが…』
もう聞き飽きたっつーの!!!
あんたのことばっかりお父様は褒めちぎって!!あたしが!お父様を馬鹿にする奴をとっちめた時も!お父様の情報をリークしてる奴を暴き出したときも!何も言わなかったくせに!!!!!」
北村さんには、僕のことが奏里に見えているようだ。
暴力は止まない。
(もう僕、死ぬのかな…)
更に意識が朦朧とし、瞼の裏に見えたのは、記憶の隅にすら残さなかったはずの、小さいころの僕だった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 104