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今後 晴sideにしおりをはさみました!
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今後 晴side
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沈黙を破ったのは、奏里だった。
「ねぇ、」
「…あ？」
「今後のことなんだけど、さ…
こんなことになって、信じられないって思うかもしれないし、身勝手なのはわかってるんだけど…」
「…もったいぶってんじゃねぇよ。
さっさと言え」
「ぅ、んと、入れ替わり、続けたい」
「…俺も、奏太と一緒にいたいさ。
でも、流石に無理あるんじゃねぇか？
入れ替わるってことは、普段お前に向いてる悪意が、奏太に向くってことだ。
…それこそ、今回みたいにな。
こいつを危険に晒したくはない」
「…それでも、だよ。
今回の件はどうせお父様にバレたし、今日まではバレないように断ってた護衛も次からはつけられると思う。
お父様を説得できれば、だけど…。
…それに、晴が守ってあげればいいじゃん」
「俺は、もう…
こいつを守ってやれる、自信がない。
前も、今回も…守れなかった」
俯くことしかできない俺は、なんて惨めで弱いんだろう。
自分の弱さに反吐が出る。
「…じゃあ、なおさら続けよう」
「…え、」
「あたしが入れ替わり続けたいのはね、
昔のことを、お兄ちゃんが乗り越えられていないから。
…お兄ちゃんには、記憶がない。
それって逃げてるだけで、全然何の解決にもなってないんだよ。
あたしは、お兄ちゃんに、成長して欲しいんだ。
でも、それはきっと、あたしにはできない…晴、あんたにしか」
「…あれを思い出すことが、あいつにとって良いこととは限らない」
「…少なくとも、忘れてるっていうのは悪いことなんじゃないかな。
だったら、思い出して、話はそれからだよ」
「…思い出させるなら、あの件のことを詳細に話せばいい」
「…それだけじゃ、根本的な解決にならないんだよ。色々と事情があってね…。
そのうち、話す。
それに、今はまだきっと、お兄ちゃんにはあのことを受け止められる強さがない。
…晴、お兄ちゃんと一緒に強くなって。
そうすれば、自然と思い出すと思うから」
「…俺に、あいつを守れるだろうか？」
「強さを身につけたいなら、学校帰り、ウチにおいで。稽古場かすし、『本当に強い人』ってのに会わせてあげるよ。
お兄ちゃんにもそろそろ、ウチのことを教えなきゃいけないよね…。
だから、お兄ちゃんも一緒に」
「…奏里」
「お兄ちゃんの目が覚めたら、奏里って呼んであげて。
そしたらお兄ちゃんもなんとなく『今は入れ替わり中だった！』って空気を読むと思うから」
「…わかった」
「……もう、そんな辛気臭い顔しないの！
笑って、って、言われてたでしょ」
自分も辛いだろうに、こうして笑顔をつくるこいつを見習わなきゃなんねーな。
…ありがとう、奏里。
心の中で思いながら口の端を軽く上げると、部屋のドアが開いた。
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