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守るために 晴sideにしおりをはさみました!
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守るために 晴side
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「…きみは弱いよ。
その通り、きみが感じた通りさ。
守りたいと思ったものを守り通すには、何よりも大きな強さが無ければいけない。
または、強さに対抗する術を身につけなければいけない。
…俺にできるだろうかって、そう思っているだろう?
その考えが、そもそも間違いだ。
強さが無いなら、強さに対抗する術を。
何もきみがやる必要はないのさ」
コソコソと話しかけてくる西川に、奏里が訝しげな目でこちらを見ている。
「…何が言いたい」
「守るためのアドバイスを、ちょこっと教授してあげようかと思ってね。
守りたいものがあるなら、きみが強くなることはもちろん必須さ。
だけど、そんなのタカが知れているだろう?
どんなに鍛え抜いたって、きみが足下にも及ばない人なんていくらでもいる。
…なら、どうすればいい?
簡単さ。強い人を味方につける。
言い方は悪いけれど、利用する。
強さの糧にするんだよ…
例えば、あの子、とかね」
目線をチラリと奏里に向ける西川。
「…利用なんて、しない。」
「だったら協力すればいい。
…彼女と協力して、強くなってごらん。
奏太くんを守れるように、さ」
そう言うと、西川はくるりと方向を変えて奏里の方へ向いた。
「じゃあね〜、僕は診察に戻るよ!
これでも忙しいんだぁ。
奏太くんならその中にいるけど、これから病室に移動させてもらうねぇ。
横についててあげて、奏太くんも安心すると思うから。
目が覚めたらナースコール押してね〜」
「め、面会謝絶じゃないの!?」
「ん〜? あれはねー、う・そ♥︎」
「…ありえねぇ」
「何とでも〜。 ばいばい」
ひらりと手を振って、去ってしまった。
あいつは昔からそうだ。
軽薄なようでいて、何でも見透かしている。辛辣なようでいて、実は優しい。
(…そうだ、協力して、強くなるんだ)
いつも道を示してくれるあいつに、密かに感謝した。
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