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奏太が奏里で奏里が奏太でにしおりをはさみました!
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奏太が奏里で奏里が奏太で
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「奏里っ!心配したんだよ!?
どうしてこんな…大丈夫!?!?」
勢い良く抱きついてきたけれど、頭が混乱して、どう反応して良いのかわからない。
ただただ硬直する僕と、なんだか微妙な顔で奏里…いや、僕…いや、奏里………めんどくさい…っ、僕に変装した奏里を見る晴くん。
「おい…」
晴くんが何やら声をかけようとすると、奏里は僕から離れてぺこりとお辞儀をした。
「…初めまして。城川奏太といいます。
奏里のお兄ちゃんです。
あなたが奏里を助けてくれたんですよね?
本当に、ありがとう」
「…ぃゃ、」
なんだろう、奏里がぼくに似すぎてて若干怖い…。
「ずっと付き添ってくれてたんですね…
でも、ここからは僕がいるので、もう帰ってもらっても大丈夫ですよ!」
にっこりと笑いかけながら奏里がそう言うと、晴くんは何やら急に奏里を睨み始めた。
ぼ、僕、嫌われた!?
実際に睨まれているのは奏里だけど、僕が睨まれているように感じてしまって落ち着かない。
そもそもなんで睨まれてるの…!?
「おぉこわ…」
奏里はギリギリ聞こえるくらいの音量でそう呟くと、
「そういえば、きみに用事があるから一緒に来てもらえると嬉しいなっ」
そう言って、晴くんを廊下に連れ出した。
「ばいばい、明日は遅刻しないで学校に行ってね」
晴くんに声をかけると、晴くんはなんとも微妙な顔で
「…明日も来るから。じゃあな」
と言った。
明日も来ると言ってくれたことに喜ぶ自分と、別れを告げられ寂しい自分。
複雑に気持ちが混ざった僕は、きっと晴くんとおんなじような表情をしていたと思う。
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