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お見舞い 晴sideにしおりをはさみました!
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お見舞い 晴side
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奏太のいる病院に着いて、ドアをノックする。
…が、返事が無い。
もしかして、今は検査で別室にいるのだろうか。
しかし少しドアを開けてみると、奏太はそこにいた。
窓を全開にして、外をぼーっと眺めている。
長いウィッグが風になびいて、長いまつ毛は物憂げな瞳に影を落として。
夕陽に照らされた奏太は、どうしようも無く綺麗だった。
随分長い間見とれてしまい、はっと我に返る。
しかし、このままずっと眺めていたいという欲求に駆られた。
…でも、そんなわけにもいかないだろう。
「かな…り。」
呼んでみるが、奏太は反応しない。
「…かなり?」
もう一度呼んでもやはり同じ。
今度は近くに寄って、奏太の耳元で囁いた。
「かなり。」
「ひぁっ!!」
びくっ、と肩を強張らせた奏太は片耳を両手で抑えてこっちに振り向く。
顔が赤いのは気のせいではないだろう。
「…へぇ? 耳、弱いんだ?」
面白くなって俺が笑うと、奏太は更に顔を赤くして俺を睨む。
「よ、弱いとかじゃないもん!
びっくり、しただけだし…!
もう、驚かせないでよね!!
それと、そんなに笑うなぁ…っ!!」
「はははっ…悪かったよ。
でも、何度も呼んだのに返事しないおまえも悪い」
「…え、呼んだ?」
「おう。…そんなにぼーっとして、どうしたんだ?」
そう聞くと、奏太は困ったような顔をした。
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