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衝動10にしおりをはさみました!
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衝動10
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くそ、こいつといるとなんか調子狂う!
羞恥で高槻の顔が見れず、視線を泳がせていると、本棚が目に入った。
「あ。」
そこにはすでに廃盤になり、手に入らないと諦めていた漫画が全シリーズ揃っていた。しかも、ピッカピカ。
「なぁ、これさ、よかったら貸してくんね?」
「え、あ、あぁ、別にいいですけど………」
それ、もう廃盤で新品は手に入らないので絶対に傷つけたり汚したり失くしたりしないでくださいね!!!絶対!!!
と、高槻にしつこく念を押された。
さすが、オタク……。うん。
「明日には返すからさ。」
じゃあな、と一言続けて、俺は何事も無かったように振る舞って、自室に戻ろうとした。
「ま、待って、」
ぐっと、意外と力強い高槻の腕が俺の服の裾を掴んで、俺の動きが止められる。
「あ、あの、」
「なに?」
暫く沈黙が続く。
さっきの『告白』っていう言葉がふっと頭に浮かんで、なんだかそわそわして、心臓がどきっとして、
「えーっと、」
「なに」
そんな自分を隠そうと、つい口調が強くなった。そんな俺に、ヒッ!と声を漏らし、高槻は言った。
「あの、も、もしかして、これからもギャルゲーしにくる、つもり、です?」
もちろんそのつもりだったのだが、改めて確認されるとなんだか恥ずかしい。
そりゃそうだ。なんてったって、男子高校生が二人で18禁のギャルゲーするんだから。
「ぅ、おう。する。」
また教えろよ、と言って高槻の手を振り払ってから逃げるようにすたこら帰った。
『告白』…じゃなかったことにほっとするようで、でも、ちょっとだけ、落胆してる自分。
やっぱり、俺、こいつといると『調子』狂う…
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