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俺の。 2にしおりをはさみました!
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俺の。 2
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「いや、知ってるだろ」
「知らないってことはないっしょ」
「知ってんなら、わざわざ恋愛どうこう言わねーだろ。お前ら篤に言ったわけ?」
「いや?奏が言ってるかなーと」
「あぁ。説明しとけって奏に言ったし。なぁ、奏」
三人の視線を受けた奏は斜め上を見上げて、あれ?と首を傾げた。
「………言ってない、かも」
ハテナが浮かぶ会話。
奏の、言ってない発言で、他の三人は奏を見てから俺へと視線を移した。
そして納得するように、あぁ、だから……とつぶやいた。
え、なんですか。
ってか何を言ってないんですか。
疑問だらけの俺に近づいてきたのは、聖夜さんだった。
「篤。大丈夫、心配すんな」
聖夜さんが俺の肩をぽんぽんっと叩く。
そして次に聖夜さんがあっけらかんと言い放った言葉に、俺はマジで腰抜かすんじゃないかってぐらい、衝撃を受けた。
「あのな、篤。肇と葵な。こいつら二人デキてんの。恋人同士。愛し合ってんの。
だから奏に恋愛感情はまっっったくない。わかったか?」
ーーーー。
「……は?え、え?ええぇぇぇーーーーーーっ!!!」
みんな帰って、俺と奏はただいま一緒にお風呂につかってます。
後ろからぎゅうっと奏を抱きしめて腕の中に閉じ込めながら、ちょっと恨みがましい声を出す。
「何で言ってくんなかったの」
悩んでた俺は何だったんだ。
「…悪かったってば。言おうとしたんだぞ?」
「いつ」
「肇にされちゃったとき、お前に目撃されて…そん時」
「あん時…。なんで言わなかったの」
「言おうとしたらお前の俺が奏のをしてあげる発言にすっとんだんだよ!」
うぅ…とうなる奏。
「いきなりんなこと言ってくるし、すんげぇ動揺してなんとか落ち着こうとして、だけどテンパって。
んで言うタイミング逃したの!」
「テンパってたの?」
「そうだよ!好きな奴にんなこと言われて冷静でいられるか、アホっ」
そうだったんだ。
ははっ、なんか嬉しい。
全然相手にされてないと思ってたのに。
あの二人の友情論には多少疑問は残るものの、もう奏に手出さないって言ってたし、もういっか。
俺、あの衝撃発言のあと、社長と高遠さんに敬語すっとばして噛み付いちゃったんだよね。
いくら友情だからって、友達のモノしゃくるなんてややこしい事すんなー!
とか
あんたらの友情認識は間違ってる!
とか
たとえ友情だろうが今後一切奏に手ぇ出すなー!
とか。
横で聖夜さんがお腹抱えながら爆笑してた。
「奏はおれのだからね。もう他の誰にも触らせないからね」
「…触らせるか、アホ」
照れてる。かわい。
「でも二人が恋人だったなんて…気づかなかったなぁ」
「そうか?いつも二人で消えてくじゃん」
「…そーいえば。でも仲いいんだなぁぐらいにしか思わなかったし」
「まぁ、あいつら、甘い雰囲気まったくないからな」
うん。
いまだに本当に恋人なのか疑うぐらい、恋人らしい雰囲気はなかった。
「付き合って長いの?」
「長いぞー。中学の三年からっつってたかな」
「長っ」
え、中三ってたら、14、5ぐらい?
今30だから人生の半分、一緒にいるんだ。
「長いから、甘い雰囲気ないのかな」
「いやー、あいつらは初めからあんなんだったぞ。
高校で初めて会ったときだって、恋人同士だって言われても信じなかったもん」
「へぇ、そうなんだ。
ってゆうかさ、社長あんなけ聖夜さんのことかまってんのに、高遠さんは何も言わないの?」
恋人のいる前であんな態度してていいのか?
「アレは葵のビョーキだ。聖夜だけじゃなく、他にも被害者いるし」
……ビョーキなんだ…。他にもって…。
「肇は葵が恋愛抜きだってちゃんとわかってるから。あの二人、たぶん絆一番強い」
「なんか…大人だね」
もう出ようぜ、の奏の一言によりこの話しは終了。
お風呂から出てからリビングで水分補給したあと、奏の手を取って二階の奏の部屋に向かった。
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