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貴重なお休みは無駄にしたくないのに!にしおりをはさみました!
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貴重なお休みは無駄にしたくないのに!
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「あっ!来た来た。雨宮さ〜ん!」
看板の横にボーダーのシャツにハーフパンツの金田が大きく手を振って、その横の白の襟付きのシャツにベージュのカーディガンを羽織った石渡が軽く手を挙げていた。
幸希は小走りで2人に近づき、恥ずかしそうに周囲を見渡した。
「お、おはようございます…。」
「おはよう….。」
私服で会うためか、幸希と石渡は他人行儀な顔をして、伏し目がちに挨拶をした。
「おはようございます!なんか休日に会うのって初めてですから、新鮮ですね!」
ピカピカの笑顔を見せる金田に年輩者たちは苦笑いをした。
「金田君、元気いいね。俺はまだ眠くって…。」
「ははっ。石渡さん、同感です。休みの日は大体1日中寝てますんで…。」
幸希は大きく欠伸をした。
「ったく、上司命令だからって、なんで俺たちの貴重な休みを削ってまでこんなのに来なきゃいけないんだよ〜。」
石渡はため息混じりに溢した。
「仕方ないですよ。最近、ここでの仕事が増えましたから。今度、増築するっていってたから、その仕事も取って来いってことですよ。」
金田が慰めるようにいうと、パッと石渡が顔を上げた。
「えっ?俺が?」
「えっ!?石渡さん、営業でしょう?」
「…。」
「…。」
「か、金田君!ごめんね、休みの日に!金田君は営業じゃないのに付き合わせちゃって!」
ぽかんとする2人の間に入るように幸希は口を開いた。
「あっ…いえ、いいんです。特に用事もなかったし、雨宮さんに休みの日も会えるなら、逆にラッキーです。」
「あ…そう?」
「早く中に入ろう。ここは目立つよ。誰だよ、ここを集合場所に指定した奴!」
石渡が右肩が凝ったように左手で拳を作って叩いた。
「雨宮さぁ〜ん!」
甘えるような声が耳をついた。
そこにいた全員が殺気立ったのがわかった。
レースのひらひらした白いスカート、時期的にはまだ寒いんじゃないか?と思うようなピラピラの薄いピンクのブラウス、歩きにくそうな高いヒール。
「た、竹下さん…?」
「おはようございますぅ〜。あっ!」
ヨロヨロっとした拍子に竹下は幸希の腕に捕まった。
「だ、大丈夫?」
「ごめんなさぁい。てへっ☆」
竹下は胸を強調するように見上げてくる。
(朝からきついな…)
幸希は半目になりそうなのを堪えた。
「いつまでひっついてるんですか!」
金田が竹下が握っていた幸希の腕を横から奪った。
「ちょっ…何するのよ!」
よろけた竹下だったが、すぐに踏ん張るように仁王立ちした。
「そんなヒール履いているからです。大人なんだから自分で歩いて下さい!てかなんでいるんですか!」
「木下さんが連れてきてくれたのよ!何よ!年下のくせに生意気よ!」
「木下さんめ…俺の方が入社して長いですよ!」
「ちょっ…腕もげる…」
2人の間で幸希が顔を歪めているとふと、今日の集合場所をしていた人物の顔が見えた。
「木下〜〜!遅いぞ。(連れてきたんならちゃんと保護者しとけよ!)」
人込みにヨロヨロしながら、木下がいつもの笑顔を見せた。
「いやいや…竹下さん、急に走るから…」
はぁはぁと息を切らして近づいて来た木下は、一旦息を整えて、拳を空に突き上げた。
「じゃあ、”新緑祭”楽しんでいきましょう!」
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