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ロードショーの時間にしおりをはさみました!
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ロードショーの時間
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「卒業」という映画をご存知だろか?
「ちょっと…待って…」
息が上がる。
ダスティンホフマンが扮するベンジャミンが幼馴染のエレーンの結婚式場に乗り込んでいき、新婦を取り返すという普及の名作。
『はっ?えっ?はぁ?台本にあったかな?』
まさにドラマティックなあのシーン。
『無いわよ!!ちょっと、どういう事よ!!あんた!』
壇上でスレンダー美人が司会者からマイクを奪っていた。
幸希は頭がワケがわからないまま勝谷に引きずられていた。
「おい!ちょっと!!」
(力が強い!)
引き離そうと抵抗しても幸希の力ではどうにもならなかった。
「キャー!どういう事?」
「何?何?どうなるの??」
女性の歓声が上がり、幸希はこの場から逃げ出したくなった。
『何してんのよ!勝谷くんを返しなさい!』
壇上の美人は鬼の形相になっている。
(お、俺!?)
「雨宮さん!!」
金田が手を伸ばしてくれたが、その手を断った。
(この場を収めなきゃ…)
「ゴメン!あとで!」
幸希は引きずられるまま、階段を登った。
『2人を捕まえて!』
会場を出るとき、美人のヒステリーな声が聞こえた。
目の前には黒のタキシードを着たスタイルのいい男性が自分の手を引いて、走っている。
サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」が脳内再生される。
但し、ここは教会ではなく、大学構内だ。
バスなんてあるわけない。
「何?何?なんの催し物?」
「勝谷じゃん?何してんだ?」
「キャー!カッコイイ!!」
(目立つ…)
幸希は出来るだけ下を向いて、連れて行かれるままになった。
ようやく人通りが少ない所に出て、幸希のパニックしていた頭が上手く回り出した。
「ちょっと!おい!勝谷さん!」
名前を呼んだ事で勝谷の動きがピタリと止まった。
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