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心休まる場所。にしおりをはさみました!
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心休まる場所。
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忘れるために向かった場所は、俺の行きつけのゲイバー。
無条件で信頼できる俺の仲間が、ここには居るわけだ。最近では唯一、気の休まるところ。
「やっほー」
「あらっ!みんなー!ゆうちゃんが来たわよー!」
ここのマスター、秋さんは見た目は完璧に綺麗な女性である。が、改造はしていない。
元が綺麗だと良いよな…
「良いよそんな呼ばなくて」
「そんな暗い顔してるくせに何言ってんのよ」
笑いながら言ったつもりだったんだけど、秋さんにはわかるみたいだ。
「ばれた…?」
「バレバレよっ!もうっ…で、どうしたの…?疲れた顔してるわよ…」
「ああ、疲れた顔してんのはさっき…ちょっとめんどくさいやつとヤッちゃって…」
「え……?そういうの辞めたんじゃないの…?」
「ん?…まあ、そうだったんだけど…」
碧の事を好きだということは既に言ってあった。
「なんで…?」
「あいつ…恋人出来たんだって…」
「あらやだっ、どんな子どんな子?」
わくわくしてんな秋さん…
「どんなも何も…自分の生徒だよ…しかも男子。」
「まあまあまあっ!良いわねえっ」
「良くない…」
「まあ、それにしても…ゆうちゃんの猫かぶりでも落とせない男を落とすなんて、その子やるわねっ」
「そうだな…」
「そんなむすーっとしないでよっ」
「だって…」
あいつの話ばっかりするから…
「ずばり!な・や・み・ご・と?」
秋さんは人差し指を立てて俺の鼻にちょんっと触った。
「ん…そんな感じ……俺さあ、碧を見つけた時、仲間だ。って思ったんだ。」
「うん…」
「いつの間に碧のこと好きになったんだろう…碧が、恋人と仲良くしてるところを想像すると…少し胸が痛い。俺ってこんなに嫉妬深かったんだなあって…最近知ったんだ。」
「あのね、ゆうちゃん…少しだけ、思ったことを言っても良いかしら?」
「ああ、うん。」
「ゆうちゃん、ほんとに碧くんのこと好きだった?」
「え……?好きだったよ…?」
だってこんなに胸が痛くなるんだ、好き以外に何がある…
「私が思うにね?ゆうちゃん、仲間だと思った。って言ったじゃない?」
「うん」
「いつの間にかその仲間意識を、恋だと勘違いしちゃったんじゃないかしら?」
「は…?」
「だって、碧くんとらぶらぶしたいーとか、ちゅっちゅしたいーとか、聞いたことないもの。」
「えっ…じゃあこの嫉妬心みたいなのは…」
「大事な仲間が盗られたとでも思ったんじゃないの?彼だけ幸せになったのが、悔しかったとか…」
「たっ…確かに…」
妙にしっくりくるな…
「あなた達って、すごく妙な絆で結ばれてたから…ただこう…傷を舐め合うというか…慰め合ってただけだったんじゃないかなって…少し、思ったのよ…」
「ああ…あれは…慰め合いだったのか…」
だから…いつも碧はごめん。って、哀しい顔して謝ってきてたのかな…俺を…利用してるとでも…?
ああ…お互いに変な気ばっかり使って、壊れ物のように扱いあって、あんなんで好きになんてなれないか…なんだ…そっか…恋じゃないのか…
「…秋さん…ありがと…」
黙ってた俺を心配そうに見る秋さんを見ると、この人に言って良かったなと思える。
「…いいえ、どういたしましてっ」
そう言って笑った秋さんは、やっぱり綺麗な人だった。
「でもごめん秋さん…もう一個相談しても良い…?」
「なに言ってんのー、何千個だって聞いてあげるわよ」
「ふふっ、ありがとうっ」
やっぱり俺はここが好き。
また来ようと思える。この場所が好き。
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