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嫌いな日だったにしおりをはさみました!
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嫌いな日だった
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朝五時
今日はいつもより早く目が覚めてしまった
「・・・・・さむ・・」
外はまだ真っ暗・・・
ほんと、早くに起き過ぎた。
「二度寝するか・・・」
そう思い布団を被るが、どうも寝付けない
目を瞑って、数分後にまた目を開ける
10分置きにその動作を繰り返していると
あっという間に一時間が経った
・・・・・・・・・。
「はっ」
いやいや何をしてる俺。
急に自分のしてる事が馬鹿らしくなり
二度寝は諦め、体を起こした
顔を洗い歯を磨いた後に
ホットココアを入れてソファに座る
9時になると新が来るし
それまでにもう一回部屋の掃除でもしとくか。暇だしな
(昨日寝る前に三回も掃除機かけた)
「・・・はぁ」
ココアを一口飲むとため息が出た
今日はクリスマス。
別に特別な日でも無いのに
やけに周りの奴らはこの日になると
騒がしくなるよな
「クリスマス・・・」
一年の中で一番俺が嫌いな日
無くなってしまえばいいと何度も思った日
俺の誕生日だと言うことは
新には教えてない
あいつはもう気付いてるみたいだけど・・・
クリスマスが誕生日だなんて
これほど最悪な事があるだろうか
覚えているので親にちゃんと祝えて貰えたのは
俺がまだ小さい頃の1度きりだった
親が両方多忙な仕事だから
誕生日さえも構ってもらえなくて
昔は寂しいとか思ってたけど
小学生になった頃からそんな事にはすっかり慣れてしまっていた
今は誕生日なんてどうでもいい
「・・・・・」
携帯を開きメールを確認する
昨日、あいつ頭痛いとか言ってたから
寝る前にメール入れたんだけど返事が無い
いつもならすぐに返してくるのに・・・
とりあえずココアを飲み切り
立ち上がって掃除機を手に取った
部屋の隅々まで掃除機を掛けると
またソファに座ってあいつが来るのを待った
正直、多分俺は今嬉しいんだと思う
何とも思わなかった自分の誕生日が
今は楽しみで仕方がない
特に何をするわけでもないけど
あいつと1日居れるだけで俺は嬉しいと思えてしまう
こんなに新にハマるなんて思ってなかったな
「・・・・・・」
一体何をしでかしてくれるんだろうと考えながら
インターホンが鳴るのを待っていた
「・・・・・」
待っていた・・・・んだが・・・
早送り▷▷
3時間半後・・・
「・・・・・(怒)」
9時を過ぎても、インターホンが鳴る事は無かった
「なんかあったのか?」
新が時間を守らないなんてのはありえない
だから来る途中か家を出る前に
きっとなんかあったんだろうと思って
俺はすぐに新に電話をした
「・・・・・・」
コール音は鳴るが電話に出る気配は無かった
「風邪か?」
いや、風邪なら俺にメールくらいしてくるはずだ
「・・・・」
もう一度発信ボタンを押して電話を掛けた
その後も何回か電話をしたが
やっぱり新が電話に出る事は無かった
「まぁ、もうちょい待つか」
あいつの事だ。
どうせ俺を驚かせようと何か企んでるんだろう
そう思いながら、自分の部屋に
戻ろうとした時だった
【〜〜〜♪〜〜〜♪】
携帯が鳴り響き、俺は新だと思って電話に出た
『成海・・・』
「・・・・・・」
だけど聞こえて来たのは親父の声
「はぁ・・・なに?」
新じゃなかった事に俺はため息をついた
『お前に聞きたい事がある』
「・・・・」
聞きたい事ね。自分の息子に
誕生日おめでとうくらい言えねえのかよ
期待なんてしてねえけど
『今朝のニュースは見たか?』
「ニュース?いや、見てない」
クリスマスにテレビなんて見たくもねえ
どうせどのチャンネルもクリスマス一色だろ
『・・・そうか。』
すると親父の声が少し低くなった
「ニュースがなに?」
『・・・・確かお前の所属する生徒会に
渋谷新と言う少年が居たな?』
「は?・・・」
新?・・・がどうしたんだよ
つかなんで親父があいつの名前知ってんだよ
『それが彼が・・・』
そして、親父は口を開き話し始めた
「・・・・・な・・」
その話しを聞き終わった後
俺はすぐに家を出て
親父に教えられた場所へと走った
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