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お題「中二病」にしおりをはさみました!
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お題「中二病」
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出会ったころから、変な奴だとは思ってた。
今、目の前でリスよろしくアーモンドを頬張ってるこいつ。高校ん時の同級生。
思えばそこまで仲良くなかったはずなんだけどなぁ。見た目もリスみたいな奴で、なんとなく弄られキャラで、それを本人も自覚してるからか、周りに甘え放題、我儘放題な奴。どっちかと言えば、俺は苦手だったんだよな。
実際、高校を卒業してから、連絡なんて取ってなかったし…なのに、突然姿を現したのが一週間前。仕事から帰ってくると、俺のアパートの階段にちょこんと座っていて、パッとこいつだって気付けなかったくらいなんだよ。
やべっ、怪しいやついるよーって、遠巻きに階段上ろうとしたら、俺に気付いて、飛びついてきた。
「俺、実は宇宙人だったんだよ！悪ぃんだけど、しばらくの間、匿ってくんね？」なんて、大真面目な顔してぬかしやがる。訳が分かんねぇ。全く理解不能だ。「誰から匿うんだよ」ってーと「MIB」ときたもんだ。阿保か？いや、完全に阿保だ。二十歳過ぎた男が何言ってんだ？しかもMIBって古くねぇか？そもそも、日本にもいんのか？
とは言うものの、無下に追い払う訳にもいかず、部屋に入れちまったのが、俺の運のつきだったのかも知んねぇ。こいつ、居座りやがった。俺の服着て、俺のベッドに寝転がって、俺が帰る前に飯とか作って待ってんの。しかも、うまいし。そこが、またムカつく。なんか、このままでもいいかななんて、少し思っちまったのを振り払うみたいに頭を振って言ってやった。
「お前、そろそろ出てけ。阿保」
すると奴は、まるで意外な事を言われたかの様に目を丸くする。
「は？無理無理。だって、今出てったら、俺捕まっちゃうよ？」
「だから、誰にだよ？」
「MIBにだよ！」
どうしても、それで押し通すつもりらしい。まぁ、本当の理由なんて興味ないから、突っ込んだりしてやらねぇけど。
「ってか、そんな奴らなら、ここなんてすぐ割れちゃうんじゃないのか？」って言うと、一瞬、考えるみたいに、宙を仰いで「そうなったら、出てくしかないな…」なんて言いやがる。
「挨拶もなく消えたらごめんね」って言うから「さみしくねぇよ」って返してやった。もちろん、その言葉にちょっとズキって来たことは言ってやらない。ってか、そんな風に感傷的になってしまったことの方が、自分的にショックだ。
本当に何がしたいんだこいつ。
「ねぇ。俺の事嫌いでしょ？つーか、昔から、嫌いだったでしょ？」なんて、ヘラヘラ笑いながらぬかしやがる。完全に俺の事なめてるんだろ。ここで「嫌い」だんなんて言うと、なんか負けた気になるから、目を逸らして「嫌いじゃねぇよ」って言ってやった。そしたら、「じゃあ、好き？好きだった？」って、食いついてくる。面倒臭ぇな。
「いや、好きでもない」って言うと、「そっか…」って、珍しく、弱く呟いたから、こいつでも落ち込む事があんのかって、みてみたら、相変わらずニヤニヤして「そんくらいが丁度いいよね…」なんて、一人で納得して、またアーモンドを頬張り出した。
マジでなんなんだ？こいつ…。今すぐ追い出してやろうか？って思っても、実行しないんだから、俺も相当お人よしなんだよな。
こいつ本当に挨拶もせずに急に出てったりするんだろうか。たぶん、するんだろうな。
なんなんだよ…畜生…
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