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ワインうまし。にしおりをはさみました!
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ワインうまし。
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友希君から受け取ったワインとグラスを手にリビングに戻ると、トイレに行くと言った諒君がもう戻ってた。
あれま、お早いお帰りで。
とりあえずその場しのぎに言ったってところかな？
ワイン一本、グラスは二つ。
あいつらもう暫くは戻ってけえへんやろうから、手に持てる数にしといた。
「ワイン飲む？」
「…ん」
「さっきまでの元気はどこいったん？」
「……」
今までの経験上、本来なら今の返しは「うるせー」ってとこか？
そっぽ向いたまま手を伸ばしてグラスを手に取り、俺の方に向けた。
注げってことね？はいはい。
自慢やないけど、俺いつもみんなから気を使われる方やで？(笑)
「酒強いの？」
「強い、ザル」
「そうなんや。ほなら今度日本酒美味い店に連れてってあげる」
「…うん」
おおおっ！
こりゃもう立ち直れないくらいダメージ受けてんな。いや、というか上の空か。
諒君が友希君のことを好きなことなんて直ぐにわかった。
ずっとずっと片想いやったんやろうなってことも。
なんていうんかな、同士に伝わる感情ってやつ？
俺も諒君も同じやったからかな。
ただ、俺は生まれながらの適当男で、処世術には長けてると自分でわかってるから、何をすれば楽になれるか、何をすれば目を背けられるかがわかんねん。
そして、何が自分にとって最善かってことも。
でも、
「きついやんなー」
「なにが？」
「んー？いやこっちのこと」
根が真面目であろうこの子は。
ゆっくり立ち上がって、そっぽ向いたままソファーに沈んでる諒君の横にゆっくり座る。
そのまま暫くワインを呑んで、幾度となく溜め息を着く彼の肩に手を添えた。
抵抗もなくこちらを向く口の悪い男の子。
ちゅ。
その唇にくっつけてみた。やらかい。思った以上に柔らかくてしっとりしてた。
一瞬目を見開いて拳をあげようとしたけど、結局その手は下ろされて、目を閉じた。
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