アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
6にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
6
-
「おー、里見じゃん。」
「どーしたの?」
酔っぱらいの皆が、里見の登場に盛り上がる。
里見が持って来た酒は、俺らが買えないような高いヤツで、げんきんな奴らはそれを歓迎して、あっという間に輪にとけ込んだ。
「すばる、こっち来いよ。」
距離を取って座ってた俺に、里見が言う。
隣に座ると、体温の高い里見の体が少し触れて、それだけで体がざわざわする。
たばこを持つ長い指。
酒を飲むたびに上下する喉。
向けられる柔らかい眼差し。
俺より少し背が高い里見の、斜め上から聞こえる低い声。
そういう全てを意識してしまう。
大学生にもなって、こんな事で心を乱される自分がいたたまれなくて。
里見に構って欲しいのに、放っておいて欲しいような、そんな気持ちになる。
「ちょっとトイレ。」
やっぱり限界って心臓が言ってるから、里見にそう嘘をついてコテージの外に出た。
見上げた夜空は、街中では見られないような星空で。
もっと暗い場所で、この星空を見たくなって歩き出した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 10