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「俺も、すばるの事が好きだよ」
予想通りの里見の答え。
でも、やっぱり嬉しくて。
このまま里見の恋人達の一人にされても後悔しないって思う。
そんな俺を見る里見の視線がふと逸らされる。
「すばるの事…好きだから付き合えない。」
思ってもみなかった拒絶の言葉。
何でだよって思ってる俺に向かって
里見が口を開く。
「俺、卒業したら結婚する」
「…誰と?」
心臓に冷たい水が流れ込んだみたいなショックに、こんな言葉しか返せない。
「親が決めた相手。だから俺は、本当に好きな人とも、本当に好きになってくれた人とも付き合えないよ。」
終わる事が分かってる恋愛なんて
本気で始めたら相手を泣かせるだけだから。
「その結婚っていつから決まってた?」
「子供の頃から。」
「だから、そんななんだ。」
俺の言い方に、里見が笑う。
「そんな理由でフラれる身にもなれよ」
笑いごとじゃないって里見を叩く。
「ごめん」
「俺は、泣いてもいいよ。」
謝る里見に、縋りつく言葉を投げる。
「俺が泣かせたくないんだよ。」
相変わらず星は綺麗で波は穏やかで。
このままで居たいけど、それはムリで。
「里見、いっかいだけ抱きしめて。」
体を起こして、里見の腕に触れた。
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