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「里見、今まで寂しかった?」
「なにそれ」
里見は笑って返事をするけど。
これって強がりだなって分かって、里見への愛しさが増す。
「本当に好きな人と付き合えないって寂しくない?」
重ねた問いかけへの返事は無くて。
里見のために何かしたいけど、できる事なんて何もない自分をもどかしく思った。
「すばる、こんなの自分勝手だけど…これからも友達でいてほしい。」
「やだよ。」
俺の言葉に、里見がそうだよなって腕を緩める。
「俺は、友達とか恋人とかって人間関係に名前付けるのは好きじゃない。」
里見の胸に手を当てる。
そこは、やっぱり速く熱い鼓動がしてて。
「だから俺は俺として、これからも里見の人生に居たいよ。」
嬉しい時に、笑いあえるような
寂しい時に、側に居られるような
幸せな時に、分かち合えるような
悲しい時に、涙を見せあえるような
好きだっていう気持ちには応えてもらえなくても…せめてそういう存在として。
里見の側に居させてほしい。
大学生活最後の夏休み
俺たちはまだ子供だけど、もう大人で
学生だけど、自分が決めた将来への責任もあって
次の春が来たら、みんなバラバラの未来を歩きはじめる
だけど、この夜空に輝く星みたいに沢山の人達の中から出会えたから。
友達とか恋人とかそんな名前じゃなく
お互いにとって、かけがえのない人間でいたい。
だから、この想いはここに置いていくよ。
里見好きだった。
すごく、好きだった。
<end>
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