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【11章 午前の庭】にしおりをはさみました!
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【11章 午前の庭】
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カーテンの端から覗いた、午前の庭は、日の光がきらきらと照り輝いていた。
リビングを囲うように仕立てられた白いアイアンの垣に、蔓薔薇が、絡みつかせてあった。
しな垂れて咲く花々。
濃いピンク色の、中ぶりのバラが咲き乱れ、甘い香りを放っていた。
小鳥の鳴き声が、高い木の梢で聞こえた。
空には揚雲雀がピーチクとせわしなく、天の高みに上ろうとしていた。
一陣の風がリビングを吹き抜けた。
レースのカーテンが、ふわあっと持ち上がって、僕の身体をくすぐった。
潤が、
「おいでよ」
と誘った。
僕は、お尻に入った液体のことを言い出せずにいた。
「外から見えるんじゃないの?」
「見えないよ。塀が高いし、生垣もあるから」
「隣の人とか」
「隣って、森しかないよ?」
「そうなんだ? でも道から」
「道なんて人通らないし。時々車が通るだけ」
潤が言った。
「本当?」
「本当だから、おいでったら」
潤が僕に近寄った。
「そのセーラー服、似合うね」
と言って微笑んだ。
「でも、脱がせちゃう」
と潤は、胸のボタンを外して、裾をまくった。
「万歳して」
微笑む潤に、僕は、降参したように、両手を上に上げた。
潤は、セーラー服を表に返して、軽くたたんで床に置いた。
レースのカーテンが、風で僕にまとわりついた。
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