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台本にしおりをはさみました!
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台本
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さっき椿に台本の読み合わせの相手役をしてくれないかと頼まれた
内容は兄妹恋愛モノのドラマCD
ていうか、よくよく考えると男に妹役やれってのもどうなんだろう
まあ……いつものことなんだけど
「梓? 始めんぞ」
「いいよ」
「あのさ……俺、おまえに伝えたいことがあるんだ……」
「……え、何?」
演技が始まって改めて思う
__やっぱり椿の声は良いな
椿が人気あるのもわかるよ
しかも上手いしね
人が変わったみたいに真剣になって……いつもこんななら、僕も苦労しないんだけど
間を置いて、また椿のセリフが始まった
「……俺たちって、ずっと一緒だったじゃん」
「そうだね」
「でも最近、お前と一緒にいるとなんか……こう……心臓がバクバクして、なんだか落ち着かなくて、それに……お前が他の奴と仲良くしてたりするとイライラしちゃって……」
「え……」
「……俺、お前が好きだ!」
「……うん、ありがと。でもダメだよ。だって、キョーダイは結ばれちゃいけない関係なんだよ!?」
……なぜだろう
自分の言ったセリフが、なんかこう、奥深くに突き刺さるような__
そんな感じがした
でも、椿はその間にもお構いなしに続ける
「そんなの知るかよ! 俺はお前を愛してる!! だから……俺のものになってくれ」
この言葉は僕に向けられているわけではない
そう考えると、なぜか無性に哀しい気持ちになった
このとき、僕らのやり取りを聞いていた人がいたなんて、思いもしなかった
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