アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
気の済むまでにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
気の済むまで
-
椿が、僕のことを?
言葉が出てこない
声が枯れたように、口が動くだけ
__でも、椿が嘘を言っているようには見えない
それは、僕にしても同じことで
椿がさっき、わかると言ったように……僕だって椿のことは一番わかっているつもりだ
「…………本当に……?」
「……正直、最初はこの気持ちが何なのかわかってなかったんだよねー。でも、今の梓の言葉を聞いてさ……ああ、俺梓のコト好きなんだって」
振り絞って出した声には、優しい響きをもった兄の声が返ってきた
「……ふふ」
「梓あ? ナニ、俺何かヘンなコト言った?」
「いや……僕も、初めはこの気持ちに気付いてなくて。彼女がこの家に来てから、ようやく理解し始めたんだ」
「え……俺もそうなんだけど」
「いくら一卵性だからって、ここまで重なるものなのかなって思うと嬉しくて……」
僕の顔からはいつの間にか笑みが溢れていた
それと同時に流れる涙は、嬉しさからくるもの
__椿とはやっぱり、繋がっているんだね
そう思うともう、僕の不安は全て消しさられていた
「椿……」
「……何?」
「もう一度……気持ちを伝えられたこの状態で、続けて……?」
「……! 梓、そんなコト言ってどーなっても知んないからね」
「椿になら、酷いことされても構わないよ」
「……バカ」
その夜、僕たちは気の済むまで愛し合った
隣の部屋に誰がいるとか、仕事に影響が出るとか、そういうことも全て忘れるぐらい夢中になっていた
__椿に……僕はこれから、もっと溺れていくかもしれない
そう思いながら、僕は目を閉じた
__んだけれど
その翌朝、あんなに恥ずかしい思いをするとは考えてもみなかった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
40 / 44