アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
ある日にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
ある日
-
ある日、僕は暗い教室でいつものように泣いていたんだ。
身を小さくして、教室の隅にうずくまって。
補聴器を外し、何も聞こえない静かな空間で。
「うぅ……っ…うあぁん……」
僕の泣き声だけしか聞こえない。
涙を拭おうと目を開ける。
「……え…」
僕の前に誰かが立っていた。
僕はその人を見上げる。
僕の前に立っている人はなんと、最近転校してきた光浦くんっていう人だった。
口が動いている。
何か言っているみたいだ。
なに?聞こえないよ──────────
僕は右手に握っていた補聴器をつけた。
「……んで………んの?」
低く、かすれた声が途切れ途切れに聞こえる。
え?何て言ってるの?──────────
どうやら光浦くんの声は僕の嫌いな声らしかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 208