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11にしおりをはさみました!
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11
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それから週に何回か、夜人さんとご飯を食べる謎の習慣ができた。
今日も夕飯作るって約束したんだけど……。
「やっべー、実習の片付けで遅くなっちゃったな。。」
駅を出ると、ちらちらと雪も降り始めていた。
ニュースではもう冬は明けるって言ったのに、冬の天気は変わりやすいみたい。
マフラーをしっかり巻いて、走ってアパートへ向かった。
アパートの階段を駆け上がる。
「! 夜人さん!」
「あ、おかえりー。遅くまでお疲れ様」
「今まで待っててくれたんですか??」
「うんー、外出たついでに、ね。」
言われてみれば、いつもと違った整った身なりをしている。
普段のボサボサ頭とスウェット姿しか見た事がなかったので、目の前にいる夜人さんは少し違う人の様に見えた。
「寒い中すみませんっ。今日は温かいものにしましょうか。」
「あ、今日はいいよ。俺が作る」
え?
「で、でも夜人さん料理…」
「おじさん舐めちゃいかん。旭クンに習った通りちゃんと練習したから。」
練習してくれてたんだ…。
僕は少し嬉しくて、お言葉に甘えることにした。
…………で。。
「えっと、夜人さん。。僕何処に座れば…」
「あ、適当に空いてる所座っててー。」
いや、ですからどこらへんが空いてるんでしょうか!!!?
夜人さんの部屋に入れてもらったはいいものの、絵の具や本の山でとてもじゃないが座れない。
とりあえず、立ってようかな。。
ーーーガシャァンッッ! 「?!!」
「大丈夫ですかっ?!」
「あはは、大丈夫。ちょっと滑っただけだから」
にしては派手にお皿割れてますけどっ!!
「あ、それ触っちゃ駄目ですっ!!」
…て言っても遅かった。
夜人さんの指から血が垂れてきていた。
「あー…見せてください。僕、絆創膏持ってますから」
鞄から1枚取り出して、手早く手当てしてあげると、夜人さんがぽかんとして僕を見ていた。
あ、またなんか僕やらかした??
「旭クン凄いなぁ…」
「あっ、えと、たまたま持ってたんですっ!その、今日実習あったから、要るかなって」
「ありがと。旭クンってなんか母親みたいだなぁ」
母親って……。
そういう夜人さんは、目が離せない息子って感じです……
「ご飯作るの僕も手伝います。いや、手伝わせてください!」
少し不服そうな夜人さんをいなし、夜人さんの恐ろしい包丁使いに冷や冷やしながらも、何とか2人で夕飯を作った。
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