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50にしおりをはさみました!
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50
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「旭くんー?」
……!
その場で立ち尽くしていると、後ろから夜人さんに呼ばれた。
慌てて振り向くと、どうしたの?と言いたげな顔で此方を見ていた。
急いで笑顔を取り繕って、玄関を潜り夜人さんのほうまで駆け寄る。
「あはは、ちょっと考えごとしてました…。僕、さっとお皿片付けちゃいますね。」
なるべく考えないためにも、急いで後片付けをはじめた。
「旭くん?」
「は、はいっ?」
「なんかさっきから様子が変だけど………大丈夫?」
「へ?あ、だ、大丈夫です」
「…そっか」
あ…なんか、あからさまに動揺した返事になってしまったな。な、何か……話題を逸らさないと…。
「あ、そういえば!」
「え?」
何か思い立ったのか、夜人さんが僕の手を優しく掴んだ。
「大丈夫だった?火傷のところ。」
「あ、はい。すぐ冷やしたので…もうそんなに痛くないです。」
「そっか…。本当、大事無くてよかった」
夜人さんがあんまりにも大事そうに手を持つもんだから、なんだか恥ずかしくて、顔まで熱くなってきた。
「よ、夜人さん……あのっ、…」
「…あ、ごめん、それが言いたかっただけなんだけど…ね。俺には頑張り屋さんの手を労ってあげる事くらいしか、出来ないからさ」
!
夜人さんがぽつりと呟き、手の力を緩めていく。
そうやって何処と無く切なげな声で話す夜人さんが、何故だかたまらなく愛おしく思えて…。
知らぬ間に、自然と指に力が入っていたのだろうか。
思わず夜人さんの手をぎゅっと握っていた。
「…?どうかし、」
「あの…夜人さん」
「?」
「き、すしてほしいです…」
わ、………何突然言い出しちゃったの、僕…。
はずかし過ぎ………。
ふと、温かい手がそっと顎の辺りに触れ、顔を持ち上げられる。
一瞬ぽかんとして緩みきった唇に、優しく夜人さんの唇が重なった。
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