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ASHIBA(アシバ)にしおりをはさみました!
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ASHIBA(アシバ)
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「赤猫…?」
聞いたことの無い名だ。何の組織か分からないが、こうして妨害してくるのには何か意図があるに違いない。
「一体どういうつもりだ、目的は何だ…?」
「目的ィ?フフヒヒヒ…お前を強奪することだァ…」
「…!?」
一昨日といい今日といい、身体は触られるし妨害されるしで全くツイてない。と言うよりこれは仕組まれている?
「どうして俺を狙うんだ…」
「サァな、ボスがテメーをお望みなんだよ」
「そいつは誰だ?言えば…場合によっては大人しく着いて行っていい」
「ほおん、…それでも先にこっちを、始末しねェとなァ!」
地を蹴って突撃してきた桃色髪の男・アシバは白島には目もくれず後ろにいた少年目掛けて斬りかかった。
テルは仰け反って男の顎と腹目掛けて両手に構えた銃を連射する。が、アシバの身の躱しが早かった。
距離をとった相手の右肩に照準を定め撃つ。そして彼の避ける方向を予測して間髪入れずに心臓、脇腹と撃ち込むが男はその軌道を読んでいるかのように弾を避けた。
左手の拳銃をより速い弾が撃てるモデルのピストルと入れ替える。
左を相手の右足、右を左足へ狙って同時に放つ。速度の違いは肉眼では通常捉える事ができない。その差は僅少だ。
——どちらの足から避ける?
射出する刹那間、トリガーを完全に引き終える前にアシバの右足が先に動く。
「!」
テルは確信した。軌道が読まれている。撃ち終えると右手の拳銃が弾切れの音を知らせた。左銃で続けて発砲し相手との間合いを保ちながら弾倉を入れ替える。そのほんの微かな隙をついてブーメランのように飛んできた刃がテルに襲いかかった。
咄嗟に銃身で受け止めようと身を庇うも、眼前に現れた影が鎌を鞘で薙ぎ払う。
行き場を失ったそれは回転しながらワイヤーに引っ張られ持ち主の元へ戻った。
「オイオイ、ガキばっかりしつこく狙うのは感心しねえな。俺を連れて行きたかったらコイツに手ェ出すな」
「白島…!」
自分の前に立ちはだかった男にテルは余計な真似をするな、と言いかけるが、「いいから黙ってろ」と白島は左手で遮った。
弛んだワイヤーを掴んで投げ縄の如く鎌をブンブンと鳴らして振り回しながらアシバは鼻で笑う。
「ソリャァ無理な話だァ。このチビを殺してお前を連れてくる。これが任務だからな」
「チッ。交渉決裂か」
刀を横にして構えると鎌鼬のように目にも留まらぬ速さで攻めてくる影を躱す。数手打ち合った所で白島もある違和感に気がついた。
己の反射スピードを自負している訳ではないが、それよりも速く、まるでその場所に攻撃がくるのを待っていたかのように鞘を受け止める男に戸惑いを隠せない。
「ヒーハハハ!どうしたァ?何を躊躇ってる?早くその鞘抜けよォ!」
二対の鎌が黒い鞘の表面をキリキリと引っ掻く。
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