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ASHIBA2(アシバ2)にしおりをはさみました!
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ASHIBA2(アシバ2)
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「クッ…、じゃあ抜かせてみろよ!」
アシバを押し切った白島に代わるようにテルが目標の背後から乱射する。
まるでウサギのように飛び跳ね高い跳躍力で銃弾をよけた男は伸ばした鎌を天上に張り巡らされた枝管に巻きつけ浮上した。ワイヤーを切ろうと放ったテルの弾は反対側の鎌に悉く邪魔され当たらない。これには少年も悪態をついた。テルの腕前を知っている白島も眉根を寄せる。
「アイツ…!」
「フハァ!どこ見て狙ってんだァ?」
降りてきた強奪屋は再び少年を襲撃した。
テルは柱の後ろへ逃げると回り込み、再び男を白島と前後で挟む。刀と銃が同時に向けられた時、アシバは臆する事無くその場に屈むと白島の脚の間に片足を滑り込ませ薙ぎ払い、そして鎌を下方から切り上げる。
白島はバランスを崩しかけるも蹴られた左足で着地し重心を移動すると鞘で鎌を阻む。防ぎきれなかったニ撃目がスーツのジャケットの裾を引き裂いた。
その間にテルは素早く動く男を狙い、彼が避ける先の先の先を見越して撃つ。一発目の誘導射撃に気づいたアシバが振り向きざまにニヤリと笑んだ。
次いで放った弾は寸前で居場所の入れ替わった白島の肩と太腿を掠った。
「ッ!」
「しろ…!」
「大丈夫だ!気にすんな!」
慌てて銃口を落としたテルを叱咤するように白島は声を上げる。
「ハハァッこんなもんかよォ」
首を傾げ挑発するピンクの頭と脇腹を狙い刀を振りながら膝蹴りを喰らわす。その足技さえ予測され、同じく脚で受け流される。
白島は身を引きテルと同じ場所までアシバから距離を取った。
「くそ、全然当たらねえな…」
せめて一発でも当てたい所だが、二人同時を相手に一切隙を見せない強奪屋に運び屋は苦戦を強いられていた。アシバの身体能力が優れている上に先程は気づかない程の速さでテルの対角線上に誘導された。空間認識力も高い。
白島の中でとある疑問が確信に変わった。
「さてはお前…ESP、だな」
男の動きが止まる。
「…ビーンーゴー」
ニヤつきを無くしチッと舌打ちをしたアシバは隠していた手札がバレてつまらないといった顔で投げやりに答えた。
「俺の能力は瞬間予知だァ。範囲は自己限定…自分に対する物理的干渉なら全て察知し予測できる。だからテメェらの攻撃は当たんねえ…それより速く身体を動かせるからなァ!」
「マジかよ…チート級じゃねえか…」
能力者の存在自体が稀少である為に立て続けに会う事に訝しむ。これは偶然では無い。
「オイ、お前のボスを当ててやろうか」
「アアン?」
言いながら白島は鞘を一旦腰のベルトへ収めた。
そしてゆっくりと相手に近づいて行く。
「金髪の、気持ち悪ィ変態野郎だよ…!」
「ハハ、残ネン、はず……」
腰を低く構え、まだ話し終えていない相手に対して間合いを詰め鞘から刀を抜こうと柄に手をかける。
居合いを予知したアシバは迅速に後ろへ跳ねて後退した。
「オイィ喋ってる時に其れはねェーだろォ?」
攻撃を仕掛ける前に刀の届かない距離へ躱され仕方なく柄から手を離す。
「…ダメか。でも、今のでお前の能力の限界値が分かった」
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