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出産です1◆猫山◆にしおりをはさみました!
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出産です1◆猫山◆
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出産予定日より早く陣痛が来た。
唸りながら朝則ニ電話をしたはいいが話せない。
『裕太?』
「ゔ………」
『まさか、陣痛が来てるの?』
『関屋くん?』
『オーナー僕帰ります!』
あぁ…朝則に電話するんじゃくて救急に電話すればよかった…と、電話口の向こう側の会話を聞いて思ったが、もう救急とかに電話する意識が…意識が飛ぶ…。
「裕太…」
おでこにヒンヤリとした何かが乗せられ、温かい何かに手を握られている。
「朝則…来てくれた…」
「当たり前…僕は裕太の恋人で夫だよ?」
確かにそうだけど、改めて言われると恥ずかしい物がある。
俺の腹はパンパンに膨らんでいて、妊夫にとって、破水はある意味スカトロのようなもんだ…。
俺は部屋に汚物をぶち撒け、朝則が呼んでくれた救急車に乗り、総合病院に運ばれた。
朝則は汚物を片付けてから駆け付けてくれたそうだ。
「裕太と共に赤ちゃんも大丈夫だそうだよ」
「陣痛って辛いんだな、俺は普通にオカンから生まれたし、オカンはこの痛みにも耐えて俺を産んでくれたんだな…」
「裕太は男女の間に生まれたんだね…僕の母親は男だよ」
妊娠してからこんな話をするのは初めてかも知れない…。
朝則の親は同性婚で同性出産、当時妊夫の出産は認められていても、受け付けてくれる病院は少なく、当時の腐女子がもう勉強して力を合わせて開業したり、総合病院に潜り込み(就職)して、少子化に対し妊夫の必要性を刷り込…いや、熱弁して見とさせたりと、力を注いでくれたお陰だろう。
「ずっと、自分の家族を持ちたかったんだ…裕太に出逢えてよかった…」
「朝則…俺も、朝則に出逢えてよかったよ」
あのまま浮気もしないで、佳奈子と一緒に居たら、朝則とは出逢わなかったし、俺も出産なんて経験しなかっただろうな…、佳奈子に苦労はかけただろうけど、今は追い出されて良かったとすら思ってるから不思議だ。
コンコン
「はい」
「猫山裕太さんの病室はこちらで…裕くん!」
「え?あっ!佳奈子!!!」
「彼女から裕くんが入院したって聞いて!」
「は?」
今、彼女からって…。
佳奈子同姓に走ったのか?
「来てみたら産夫人科でしょ?ビックリしちゃった」
「あー、うん」
「で、赤ちゃんの父親は?」
佳奈子の目には朝則が映ってないのか?
「佳奈子の横」
「え?」
「始めまして裕太の夫で、関屋朝則と言います」
「裕くんの元カノの佳奈子です」
二人して見つめ合って…花火が散ってるように見えるのは俺だけ?
「裕くん襲って孕ませたんだ?」
「合意だけど?裕太を追い出したの君でしょ?」
「追い出したけど、いつもなら裕くん戻ってくるもん」
「財布も携帯も取り上げたくせに?」
「だって、私、今でも裕くん好きだし…」
うわぁー…修羅場ってるよコレ、胎教に良くなさ気…。
「裕太は僕のだから渡さないよ?」
「裕くん…」
「佳奈子…ごめんな、俺は朝則と産まれて来る子供と幸せになるから…」
佳奈子は自分を選んでもらえると思っていたのか『え?…』と、信じられないような顔から寂しそうに俯いてしまった。
「佳奈子さん?廊下に待たせてる方は良いんですか?」
「あ…」
「佳奈子、ありがとな…お前も幸せになれ」
「あっ、あのね!コレっ…」
佳奈子が差し出したのは、あの日、佳奈子に取り上げられた財布だった。
「使ってないから、裕くんが働いて稼いだお金だから…」
「うん、ありがとう返してくれて」
「元気な赤ちゃん産んでね!」
佳奈子は目を腫らして帰って行った。
「裕太…」
「朝則…」
俺は佳奈子じゃなく、朝則を生涯の伴侶に選んだ。
助けられ、襲われたけど、俺を大切にしてくれる。
「ゔあっ…朝則…ナースコー…ふうぅ…」
「裕太!」
ポーーン
『はぁーい♡猫山さんどうなされました?』
「裕太が苦しみ始めました」
『はいはーい、今行きまーす』
慣れているのか、看護師の対応が軽い。
と、思いながら間隔が短くなる陣痛に耐える俺…すげーな。
「猫山さーん分娩室に移りましょうね?」
「え?裕太は帝王切開のはずでは?」
「手術室が満員で分娩室しか空いてないんです。大丈夫です!私達看護腐が付いてますから!」
なんだろうアウトな感じがしたぞこの看護師。
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