アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
怒りの咆哮にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
怒りの咆哮
-
いきなり現れた藤本に、青史が吠える。
「テメェ!
一度ならず二度までも!!
よくも俺の大切な司にやらかしてくれたな、あぁ!?」
「ヒェッ…! 青史先輩!
ああもう、虎が2匹も!」
ぎゃあ、と藤本が二、三歩のけぞった。
どうも普段の彼には考えられないほどテンパっているらしい。
完全に素が出てしまっている。
顔は引きつり、切れ長の目は今までになく開かれていた。
俺が驚いてボーッと藤本を見つめていたら、青史がガシッと抱き寄せてきた。
反射的に青史の背中のシャツを握って暖かい胸に顔を寄せる。
「…部長?」
ぽつんと洩らしたのは凛太朗だった。
警戒心と軽蔑の混ざった目線で見ていた。
藤本もさすがに複雑だったのか、一瞬困惑の表情を浮かべる。
すると、
ガオオオオー!!!
聞いたこともないようなケモノの咆哮が突然耳に入ってきた。
「え! な、なに、今の!?」
「うわっ、また来た!」
「おまえ、この部屋に動物なんか持ち込みやがったのかよ!?」
「ち、ちがいますよ!!
そんなことあるわけないじゃないですか!」
藤本がブンブンと首を振って否定した。
…こんなに余裕がない藤本は見たことがないな。
俺は青史のシャツを握り直した。
すると青史が大丈夫だというように笑いかけてくれた。
あ、なんか…今の、うれしいな…
心がポワンとあったかくなる。
「だから、虎!
虎がさっき俺に襲いかかってきたんです!!」
…藤本ウルサイ。
俺は黙ってむくれていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
143 / 431