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18歳以上ですか?
◇にしおりをはさみました!
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◇
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「…え?い、いや無理なんて」
「してるだろ?そんな堅っ苦しいと息詰まるよ、せっかく綺麗な顔してるのに話しづらいよ」
「…ありがとう、でもいままでこの口調でいて良かった。…だって、君という素敵な人に見つけてもらえたから」
「へ?あ、あの…副会長さん?」
あー、やっぱりそういうタイプか。
俺も何度そのうすら寒い笑顔をやめてくれといいそうになったことか。でもいつも頭をよぎる全寮制男子校編入の際に幼馴染から叩き込まれた知識。
『敬語で笑顔が胡散臭い副会長は高確率で腹黒い!もしくは本当の自分に気付いてほしいけれど、顔だけで寄ってくる奴はいらないみたいな。そしてなまら独占欲強くて嫉妬深い!そして極めつけは初対面で唇と唇がフォーリンラブひゃほーぅ!!!』
それを覚えている限り口には出せなかった。…出さなくてよかった。
じりじりと辰巳に距離を詰める副会長。そして後ずさる辰巳。
これがまさしくフォーリンラブ寸前ですね、分かります。
「榛っていったっけ。僕、実を言うと案内なんて面倒だから嫌だったんだ。でも今は代わりに来られて良かったよ。僕に気付いてくれてありがとう」
そう言っていつの間にか掴んだ腰を引き寄せて顔を近づける副会長。仰け反る辰巳。
普段なら絶対関わらない。特に生徒会や親衛隊付きの奴らが絡んでいるとき。その項目に当てはまっているはずなのに。
そう、「なのに」だ。
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