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18歳以上ですか?
197にしおりをはさみました!
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それを見つめているとヤツはスッと視線を下にズラした。
「……どうすれば伝わるんだ」
囁くような声
「あ?なんだよ」
「……わかんねぇ」
いや、俺がわからねぇよ
つか、マジで時間の無駄だ。
これ以上は我慢できねぇ
「いい加減にしろ。俺は暇じゃねぇんだ、離せ」
低い声で言って、玖川の腕を掴む
「……あぁ」
ヤツは小さく呟くと腕を離して、下におろした。
その間も玖川は俯いたまま
俺は少し距離をとってため息を漏らした。
「じゃあ、俺は行くからな。そういえば、大輔がたまには顔を見せろと言っていたぞ」
「!?だ、大輔だと…?お前、あいつに会ったのか!?」
ガバッと顔を上げた玖川は珍しく声を張り上げた。
「あ、あぁ…どうせお前、あんまり校舎こねぇんだし、来た時くらい会いに行ってみろよ。話、あるみたいだったぞ」
奴の態度に少し驚きながらもそう続けると再び玖川は顔を伏せた。
「……そうだな」
……意外だな。
雰囲気からしてすぐ拒否るか流されると思ったから
「じゃあな」
もう彼を見ていなかった俺は俯いた彼がどんな表情をしていたのかなんて知らない。
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