アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
のぼせるにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
のぼせる
-
しまった。
長風呂なんて、滅多にしないから。
完全に、のぼせてしまったようだ。
エレベーターに乗りながら、クラクラする頭を押さえた。
髪が濡れている。
脱衣所にドライヤーあったけど、とにかく脱衣所に誰か来たら嫌だから、いち早く着替えて出てきた。
会長にしても、ミケ先輩にしても、何で俺があんなに警告されなきゃいけないんだろう。
まあ、警告の内容は、よくわかった。
でも、俺はミケ先輩みたいに男でも可愛いと思うような容姿でもないし、会長みたいな男前でもない。
双子にも平凡だと言われた。
自分の部屋の階で降りる。
ダメだ。部屋に着いたら寝よう。そして、そのまま朝まで寝てしまおう。
俺は、朝まで寝る宣言をした。(ただいまの時刻14時7分)
なんか、痛い。
どこが痛いって、頭も痛いけど、1番痛いのは……
「あれ?志真じゃん。」
部屋に入ろうとしたら、横から声をかけられた。声の主はわかってる。
俺をこの学園で名前で呼び捨てにするのは、1人しかいない。
「今までお出かけ?俺も出かけてて……って、志真ちゃんお風呂行ってきたの?!」
その声の主……衛は、俺の近くまで寄ってきた。
俺は、なんかわからないけど、昨日会って喋ったけど、何だか衛が懐かしく感じた。
「志真ー?どうした?大丈夫?」
あー、ダメだ。
癒しが、癒しがほしい。
「あ、そうだ。とりあえずさ、志真ちゃん、俺の部屋に来る?ここじゃなんだし。」
そう言って、衛は自分の部屋の鍵を開けて、ドアを開けた。そして、俺を招き入れる。
俺は、まだ衛に一言も言わないまま、衛に促されるままに、衛の部屋に入った。
衛の部屋と俺の部屋の間取りは、基本的に真逆だった。寝室がある方向、シャワールーム、トイレがある方向、さらにキッチンの方向も、俺の部屋と真逆。
そして、衛のリビングには、『MCRK』のポスターが沢山飾ってあった。あと、ギターも飾ってある。
「志真?ソファー座りな。」
リビングには、俺の部屋のようにソファーがあった。俺は、ずっと何も言えないままでいた。
とりあえず、ソファーに座ると、衛も隣に座ってきた。
しばらくの沈黙。
「あ、俺、お茶入れるね。」
そう言って、立ち上がろうとした衛の服の端を掴んだ。
もう、ダメだ……
そして、俺は衛に倒れこむような形で目を閉じた。
沢山寝たはずなのに、すごく眠かった。
衛、ごめん、重いよね……
でも、そのまま意識を手放してしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 190