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その25にしおりをはさみました!
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その25
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最初から飛ばしたつもりの誠凛は桐皇の桜井に先制点を決められてしまった。
それも3P。
しかもほかの四人も油断していたつもりはないがスピードもパワーも何もかもが格上だ。
格上すぎる。
「タチ悪ぃぜ。前座とかウソついて。」
「嘘なんかついとらへんよ。青峰が来たらわかるわ。ワシらなんて可愛いもんやで、ホンマに。言うたやろ?前座やて。」
誠凛皆の顔つきが変わった。
変わらざるを得なかった。
最も黒子は分かりきっていると表情で語っているが。
その後も点を取れば倍返しで取られるを繰り返し、気がつけば10対4と差が開いていった。
「大方、青峰が遅れてくる聞いて出来るだけ点差開けとこ思っとったんとちゃう?スマン、ワシの言い方が悪かったわ。前座言うても青峰と比べてっちゅー話や。君らよりは強いで、多分。」
今吉の発言に言い返すようにやり返す術は残念ながら今の誠凛にはなかった。
ただ一人を覗いて。
ベンチで今までの対戦表を見ていた小金井が声をあげた。
「うおっ!」
「先輩、何見てるんですか?」
隣にいた降旗が不思議そうに一緒に紙をのぞき込んだ。
「予選トーナメントの桐皇のスコア。」
そこには108対91、151対72、131対81と桐皇が高得点をズラっと並べていた。
「スゲェ!全部100点ゲーム!?」
思わず他のベンチの奴らも声をあげた。
「そ。つまり正邦とは真逆のチーム。超攻撃形よ。」
そう喋っている間もシュートは打たれ続けた。
そしてもう一つ。
彼ら桐皇は、味方のケアは最小限にし、譲り合うような連係は全くしていない。
オフェンスもディフェンスも1対1。
自分でボールを取りに行って自分で決める。
ひたすら個人技でガンガン来るのだ。
「なるほどね…。ある程度予想してたけど、そういうスタイルっすか。」
今吉のマークについている伊月が言う。
「せや。うちのチームは全国から選手を集めとる。一人一人実力はある分、我が強くクセもある。ここ数年色々試したんやけどな、お手手つないで仲良うやるよりこのやり方が一番しっくりくるわ。お互い攻撃型チーム。面白くなりそうや。」
「面白いかどうかは別として……同じってのはどうかな。うちのスタイルはあくまで全員一丸の攻撃なんで。」
伊月の言葉を合図にしたかのように誠凛が攻撃をしかけた。
日向にボールが渡り、3Pを決める。
「試合にまで負ける気はねぇぞ。主将にもそう言っとけ、謝りキノコ。」
「え、スイマセン!!」
謝りキノコとはもちろん桜井のことだ。
「ははは、何言うたんか聞こえんかったけど何となくプレイで伝わったわ。」
そう言って今吉は先に走り出していた若松へとパスを出した。
「うちのスタイルとそっちのスタイル、どっちが上か決めよか。」
「………全員一丸とは言ったけど、良く忘れられる奴がいるんすよ。」
その言葉の通り、まだボールを持っていない若松の隣を黒子が走っていた。
どこから来たのか全くわからず、若松もマークしていた桐皇の選手もポカンとしていた。
火神の力もあって、再びマイボールへとしたところで誠凛は反撃をしようとした。
しかし桐皇はこれで終わりではないのだ。
桃井がいるのだ。
本当の勝負はまだまだ先だ。
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