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143.✧胸の内にしおりをはさみました!
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143.✧胸の内
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✧✧✧✧
「ふ…ああ………はっ、……ん……」
「……っ、はぁ………」
「…んっ……楓さん……ああっ……はっ……」
浴槽の淵に手をかけた旭は俺に尻を突き出して喘いでいた。
まるで本当に挿入しているかのように、閉じられた太腿の間に俺のモノを抜き差しする。いわゆる素股ってやつだ。
白くて綺麗な背中にキスを落としながら、ちらりと視線を向ければ鏡越しに旭と目が合う。後ろからやってるけど旭が嫌がらないのは、きっと鏡があるからだろう。
とろんとした旭の顔は恍惚としていて、けれど初めて与えられる快楽に戸惑っているようだった。
「旭、気持ちいい?」
「ンっ……はぁっ……気持ち、いい……」
素直にこくりと頷く旭は、喘ぎ声を溢しながら蕩けた目でじっと鏡越しに自分のされている事を見ている。目が離せない、そんな感じだ。
「はっ……はあ………楓さん……いれてっ……」
「今日はこのままでいこうか」
「……いやっ、…も……欲しい………お願い……」
旭に強請られて、俺は抜き差しするスピードを緩めた。なんで、と問いたげな旭の視線を感じつつ、ゆっくりと的確に、でも旭が達するほどの快感にはならないように動く。
そうすればもっと強い刺激じゃないとイけないらしく、旭は懇願するように腰を揺らした。なかなか扇情的でぐっとクるものがあるけど、ここで旭の願いを聞いてやるほど俺は機嫌が良くはなかった。
「入れちゃったら、お仕置きにならないでしょ。……ほら、ちゃんと閉じてて…」
「っふ、ほんとに……今日、意地悪………」
眉を下げてもどかしい快楽に身を捩る旭は、俺の機嫌が良くない理由が分かっているんだろう。
桜姉の帰国が、思っていた以上に心を重くした。
記憶があってもなくても、桜姉はすぐに旭との距離を縮めていた。
何が怖くて、どこから来る恐ろしさなのか。自分でも分からない。この恐怖に絡んでいるのが、ただのやきもちや嫉妬だけではない気がする。
できれば桜姉とあまり仲良くしてほしくなかった。
そんな事を言っても旭から返ってくる言葉は同じだろう。言って旭を困らせるだけ無駄だ。
これ以上考えるのはやめようと旭のモノに当たるように抽送を速くした。
「あっ、ああっ………や……、イくっ……」
「ん、俺もイきそ………」
びくびくと体を震わせて達した旭の尻に、俺も欲を吐き出して覆い被さる。肩で息をしながら旭は振り返って、俺の頭を掻き抱いてキスをした。
「…………俺は、…俺の全部は、楓さんのものだから………」
俺の胸の内を知ってか知らずか、旭は案ずるように言った。
……きっと大丈夫。前も今も、旭の全部は俺だけのものだ。
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