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144.✩膝枕にしおりをはさみました!
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144.✩膝枕
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✩✩✩✩
行為が終わると二人で湯船に浸かった。さっきみたいに後ろから抱き込まれるんじゃなくて、俺が楓さんの脚を跨いで向き合うように座っている。
ソファーではよくこうやってるけど、お風呂では初めてだ。そもそも楓さんとお風呂に入ったこと自体が初めて。
ドキドキしてまともに楓さんの顔が見れない俺とは逆に、楓さんは柔らかい笑顔を浮かべて俺の頭を撫でている。
「お前、髪伸びたね」
「……ん、少し邪魔になってきたかも」
「今度切りに行こうか?」
「……うん………」
全然関係ないけど、楓さんがふいに『旭』ではなく『お前』って呼んでくれるのが実は嬉しかったりする。もちろん名前で呼ばれるのも好きだけど、ちょっと荒っぽい呼び方にキュンてくる。
楓さんの胸に擦り寄れば、ぴったりと肌が重なってすごく気持ちがいい。それに加えて規則正しい鼓動が聞こえてだんだん眠くなってきてしまった。
あくびを噛み殺して楓さんの背中に腕を回して抱きつく。
「……旭、眠くなってきた?」
「ん、ちょっとだけ……」
「もう、あがる?」
「………ううん、もう少し、このままがいい……」
目を閉じてそう答えると「分かった」と優しい声が返ってきた。
さわさわと頭を撫でられる感覚で意識が浮上した。
「………ん……、……あれ………?」
「おはよう」
「あ……、楓さん……おはよう……」
どうやらあのまま本当に眠ってしまったみたいだ。だけど俺が横になっているのは風呂場でもベッドでもなく、リビングのソファーだった。しかも楓さんに膝枕をされている。
服もちゃんと着ているし髪も濡れていない。もしかしなくても、楓さんがやってくれたんだろう。力の抜けた成人男性を運ぶなんて簡単にはできないだろうに。
お詫びとお礼の意味を込めて「ありがとうございます」と言うと、なぜかくすくすと笑われた。
「さほど小さくない眠った成人男性に服を着せるのは、けっこう大変だったね」
「あ……、う、ごめんなさい」
「ふふ。でも、楽しかった」
「……どういうこと………」
呆れたように呟く俺を見て、楓さんは楽しそうに笑っている。
そういえば今はいったい何時なんだろう。カーテン閉まってるから多分夜なんだろうけど。
起き上がって時計を確認しようとすると、楓さんの手が伸びてきて俺の目を覆った。
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