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157.✩お見合いにしおりをはさみました!
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157.✩お見合い
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✩✩✩✩
三人で夕飯を食べ終わり、仕事の電話がかかってきた桜さんはゲストルームへ篭って、俺と楓さんはリビングのソファーで食後のお茶の飲みながらテレビ
番組を見ている。
番組では芸能人たちが結婚について話していて、なかなかタイムリーな話題にドキドキしていると、楓さんがマグカップをテーブルに置いて俺に向き直った。
なんだかまだ目を合わせるのが怖くて、でもきちんと話をしなくちゃ、と思うと不安になって楓さんの胸に擦り寄る。
もし、俺が女だったら楓さんのお見合い相手とも張り合えたかもしれないのに………。
そんなどうしようもないことを考えていると、楓さんが口を開いた。
「ねえ、旭、桜姉に何かされた?」
「……ううん、なにもされてないよ」
「じゃあ、何が言われた?」
「……えっと……う、ん……」
隠したってどうせ楓さんにはすぐバレる。だったら素直に答えた方がいい。俺もモヤモヤしたままなのは嫌だし。
「何言われたの?」
「……楓さんの……お、お見合いのことを……」
「え?」
楓さんも、まさか自分の姉がお見合いのことを言うとは予想していなかったのだろう。表情を窺うと顔を引きつらせて固まっている。
……ああ、お見合いの話がきてるって、嘘じゃないんだ……。
「俺、そんなの聞いてなかったから、関係ないと思われてるのかな……って……。そう思ったら悲しくなってきちゃって………」
「違っ……そうじゃなくて、俺もびっくりしてて話すタイミングがなかったというか…………」
「でも、結局知るんだったら、桜さんより楓さんから聞きたかった」
「それはその……ごめん……」
楓さんを困らせたいわけじゃないのに、つい言い方が悪くなってしまう。楓さんの表情を見るに『タイミングがなかった』というのは本当だろうし、楓さんもお見合いのことに戸惑っているようだった。
俺が聞けば楓さんははぐらかさずに話してくれる。だから、知りたいんだったらはっきり聞かないと……。
「ちゃんと話さなきゃとは思ってたんだけど……まさか桜姉に先を越されるとは」
「俺……、楓さんの口から、ちゃんと聞きたい」
「もちろん。全部話すよ」
楓さんはそう言うと俺の頬をひと撫でした。その手に引き寄せられるように楓さんに軽く口付けると、重なった唇の向こうで楓さんが笑ったような気がした。
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