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8-1にしおりをはさみました!
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8-1
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部屋の前まで来た獅琉はドアが少し開いているのに気付いた。
閉め忘れたか...?いや、そんなわけ...
まさか...いや、まだ寝てるはずだ...
バクバクと鳴っている心臓の音を聞きながらゆっくりドアを開ける。
大丈夫、麗はまだ寝てる...
ドアを開くと麗が大切にしていたぬいぐるみがちょこんと座っていた。
これ...麗の枕元に置いておいた筈なのに...
「嘘だろ...麗...っ」
急いで麗が寝ているはずのベッドを確認しに行くが麗の姿はない。
頭が真っ白になる。
今までこの部屋に麗がいなかったことなんてない。
『お前は言葉が足りてないんだよ』
ついさっき山瀬に言われた言葉が頭をよぎる。
さっき麗は泣いてたんだ...いい子にするからって...
それなのに俺は...
「くそ...っ...」
早く追いかけて見つけて抱きしめてやりたい。
きっとあの寂しがりなうさぎは泣いてる。
俺がいないと食事も睡眠もとれないような奴なのに...
本当に俺は馬鹿だ...
「麗...っ」
拳を強く握り締めて獅琉は部屋から飛び出した。
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